Sekilala&Zowie

No one is free, even the birds are chained to the sky.


【111006 郷原信郎弁護士インタビュー】文字おこし②~石川知裕議員並び元秘書三人に対する陸山会事件の第一審判決に関して~「全部がムチャクチャ」「こんなデタラメな裁判史上に残る汚点」

【111006 郷原信郎弁護士インタビュー】文字おこし②IWJ(SOTA)1a名称未設定
UST動画 http://www.ustream.tv/recorded/17703157

■参考資料①
九州電力・第三者委員会
最終報告書
http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/notice/report_110930.pdf
(県民説明番組他)
http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/notice/report_110930-2.pdf
(プルサーマル計画、川内3号増設)
http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/notice/report_110930-3.pdf

■参考資料②
「激変する環境、思考停止する組織~郷原信郎が斬る」<Vol.10>(2011.10.3)
九州電力第三者委員会を終えて
http://www.comp-c.co.jp/pdf/111003.pdf

■参考資料③
「激変する環境、思考停止する組織~郷原信郎が斬る」<Vol.11>(2011.10.5)
東電OL殺人事件と陸山会政治資金規正法事件に共通する構図
http://www.comp-c.co.jp/pdf/111005.pdf

【石川知裕議員並び元秘書三人に対する陸山会事件の第一審判決に関して】

http://threechords.blog134.fc2.com/blog-entry-1153.htmlからの続き

岩上「石川知裕代議士に対する一審有罪判決と。執行猶予は付いておりますけれども。それから、大久保元秘書、池田元秘書と、二人にも有罪判決が下されました。これは陸山会事件というものをずっとウォッチされてきた郷原さんにとって、どうでしょう?驚きだったのではないかなというふうに思うんです。郷原さんは色々な可能性を視野に入れて、こういう可能性、ああいう可能性もあるなと思ってただろうとは思いますけれども、しかし、あの村木厚子さんの事件がありました。そして検察が非常に旗色が悪くなり、そして自供の調書が採用されないということがあった。石川さんの録音したテープというものも表に出てきた。こういう中で検察が非常に不利になったと。彼ら3人の無罪は間違いなく、それと関連する小沢一郎氏の裁判も無罪になるのではないかなどという観測も広まっていたんですね。少なくともそういう楽観は色々なメディアで語られていた。そういう中で、まさか調書を採用しなかった裁判所が有罪ということを下すと。しかも中で、訴因外の水谷建設のヤミ献金まで事実認定してしまうというのは、私は全然想定出来なくてあの場にいてびっくりしました。本当に傍聴しながら驚いていたんですけれども、郷原さんはこれを見通されていたでしょうか?」

郷原「私が今回の判決について予測していた範囲を台風の進路予想図的に言うと、これぐらいの予想をしていたとすると、その予想進路図から大きく外れて、北に向かっているはずの進路が何か東とか南に向かっているんじゃないかと思うくらい、もうちょっと無茶苦茶な判決で、なんとも。サーッと見た範囲で、あるいは新聞報道とか見た範囲ではもうちょっと一言では表現しようがないという感じがしたんで、私も何がどう問題なのか、詳しく判決要旨を読んでから、コメントするしかないと思って、ちょうど第三者委員会の報告書の最終段階で、突貫工事状態だったので、もうその判決要旨を読んだらそっちの方でコメントしたり考えたり、それで時間を費やしたら恐らく第三者委員会の報告書は恐らく完成しなくなるだろうということがあったんで、一切読まないで、ほとんどコメントもしないで。第三者委員会の報告書が完成して、終わってからやっと、まず週刊朝日にコメントする前に全部読んだんですよ。まあその結果は本当に、ここまで大きく軌道を外れた、この種の事件の刑事裁判史上あり得ない、画期的な判決だと思いますよ。すごい。どうしてこんな判決がまともな裁判官によって出されるのかというくらい、すごい判決ですね。
私も別に全員が無罪だと予測をしていたわけではないんですよ。少なくとも石川さんの場合は、代金を支払われる時期が実際、客観的な事実をずれてますからね。2カ月余り。しかもその認識はあるだろうし。それについて虚偽記入を否定するのは難しいんじゃないか。あとは量刑の問題じゃないかなと思っていたんですけど、ただ認定したその内容が、もう想像を絶してますよ」

岩上「やっぱりそうですか。僕も驚いたんですが、郷原さんはこれを予想されていたのかなと、どうしてもそこをお聞きしたかったんですよね。ただ、あれを読んでからだというふうに仰っていたんで、ちょっと今日まで待っていたんです。やっぱりあの水谷建設のヤミ献金を事実認定、推認していく、その辺りがとてつもないと?」

郷原「水谷建設のヤミ献金は推認じゃないですよ」

岩上「違うんですか?」

郷原「いや、あれは水谷建設のあれ(関係者)が証言しているわけですから。直接証拠があるじゃないですか。あれは、問題なのはそもそもああいう立証をさせたことですよ。だって全然起訴されてない、しかも検察が散々捜査で明らかにして、それを起訴しようと思った。それが出来なかった、不起訴に終わった事実ですよ、あの水谷建設のヤミ献金というのは」

岩上「つまりそれは信用性がないとか、あるいはこれは公判で持たない」

郷原「とにかくそういう判断をしたんでしょうね、検察が。それなのにその事実を全然関係ない4億円の虚偽記入の政治資金規正法の事件のなかで立証させること自体が、これが無茶苦茶なんですよ、そもそも。冒頭陳述自体に書くことも無茶苦茶だし、証人尋問請求を認めること自体、無茶苦茶なんです。そもそもその無茶苦茶が罷り通ってしまったところで、今回のこういう結末が事実上決まってしまっていたんじゃないかと。改めて読んでみて思ったんですよ」

岩上「じゃあ結論だけではなく、訴因外の、唐突に認めたそこではなく、それまでの諸組織がおかしいと、そういうことですか?」

郷原「まあそういうことですよね。どうしてそうなってしまったかというと、昨日もメルマガにも書いたんだけれども、これはさすがにそういうことを立証するのは無茶苦茶だって事は検察の内部だって誰だって思いますよ、それは。だって関連性がないんですから。どう関連するのかと。水谷建設のヤミ献金が仮にあったとしても、なんでそれが4億円の虚偽記入にする必要があるのか、何にも証拠がないですよ。そうであれば余計なことじゃないですか、そんなことを立証させるのは。立証しようとすることもとんでもない話だし、だから検察部内でも、私聞いた話では、何回も差し戻したって話ですよ。こんなものは書くなと。水谷建設のことなんて関係ないと。何回差し戻しても、地検特捜部の方がまたそれを書いて冒陳(冒頭陳述)をあげてくる。だから最後、もう根負けしたんでしょうね。そんなことはまあ、裁判所に通るわけはないと思ったのかもしれないです。
しかし検察としてそういう冒陳をすることを認めてしまうと、実は裁判所って弱いんですよ。最終的な判決の判断ならともかく、その途中経過で検察がこういうことを立証したいと言ってるのをそれを認めないというのはなんか裁判官的には非常にやりにくいんですよ。検察に十分な立証すらさせなかったということを言われかねないでしょ。批判されるでしょ。だからそういう意味では、そんな無理筋の立証を認めてしまった検察の側にまず重大な問題がある。それが結局、裁判所に無理筋を通すことになってしまっている。一旦それを通してしまうと、そりゃ水谷建設の関係者はそりゃ何の躊躇もなく証言しますよ、検察官調書を取られたら。
私もそうした事実は絶対何と思いますけれども、それでもこの検察官に調べられて『これだけの金を持っていったんじゃないのか』と言われた時に彼らはそれを否定したり、抵抗したりするインセンティブは殆どないですよ。普通は、ヤミ献金だとか賄賂だとかそういうものはそれを喋ることによって賄賂だったら、贈賄だったら指名停止になりますよ。公共工事から締め出されますよ。会社倒産しますよ。だから絶対喋れない。ヤミ献金にしたって全く明らかになっていない事実が表に出たら会社としてのレピテーション(評判・名声)として大変なことになりますよ。だから喋れないんですよ。
ところが今回の水谷建設はそんなこと喋ったって失うものは何もないですよ。だから結局検事に散々言われれば、密室で取調べを受けて『まあいいや』ということになっちゃうんですよ。『まあいいや』ということになって調書に署名しちゃったら、絶対に公判でも喋りますよ。なんでかと言ったら、もし喋らなかったら『5000万円、2回持っていきません、あれ検事さんに言ったの、ウソでした』と言ったらどうなると思います?あったじゃないですか、あの羽賀研二事件で。偽証で逮捕されるかもしれないですよ。それは怖いですよ。いったん検事調書に署名している事を、それを違うと言ったら、そっちが偽証だと言われかねない。誰だっておそれますよ。だから恐らく全く何の躊躇もなく、『5000万円持って行きました』『大久保氏へ持って行きました』『石川氏に渡しました』と言う証言をしたんだと思いますよ。それを反対尋問で崩すというのはものすごく難しいです」

岩上「なるほどね。私、実は初めて言うんですけれども、水谷会長と電話で話しているんですよ。で、取材をさせてくれと言ったんですけど、のらりくらりと言いながら結構『そんなもん喋れるかい』と言いながら喋るんですよ、これがまた。そして、持っていったとか持っていかないとかいう点に関してはのらくらした言い方をするんですが、だけれども『ここでそれをはっきり言うと小沢さんから恨まれるからなぁ、あっはっは』とか言ってみたり、何て言うんでしょうね。独特のとぼけた物言いをする方で、この問題になる前、これは福島県前知事の佐藤栄佐久さんの事件にも関わっている、そういう点でもはっきり言って、これは証言として信用性がおけないと、前に郷原さんが行っていたことがありますが、ちょっと本当に一筋縄ではいかない、何を本気で言っているのか分からないような不思議な人物でしたね。お会いになった事はないですよね?」

郷原「ないです。その人の話が発端ですからね、これ」

岩上「そうですよね。一体どういう積りで。でも『あなたの言っている事で大変なことになるんですよ』と言ったら『そうかなぁ』と」

郷原「全く信用できないですよ。どっちの方向にも」

岩上「ちょっと不思議な人でしたけど。そういうこともありつつ、ただ判決のところを聞いていくともうひとつ驚いたのが、これは東北地方においてはゼネコンは小沢秘書のところにいかないと公共工事が貰えない“天の声”だということはもう天下周知の話として、とかというすごくざっくりとした、まあ評判ですよね。その評判というもので、例えば政治献金を持っていかなければ公共工事が受注できないということになると、これはもう贈収賄になるわけですけれども、その贈収賄としての認定とか事実認定とか特になく、こんなもんだったんだ、それは決まっていたんだと、フワッとサッと“天の声”だと言ってる」

郷原「だからそれはたぶん、西松事件の時に私が批判した、山ほど抽象的な“天の声、天の声”という調書を出して、一方的に西松側が全面降伏しているので、それを冒陳で書いて、そのままマスコミに書かせて“天の声、天の声”というふうにやったと。あれと同じでしょ、証拠関係は殆ど」

岩上「よみがえってきたという感じですよね」

郷原「もうこれもゼネコン側としては昔の話だし、どうでもいいんですよ。『ははあ、仰せのとおりでございます』と。高橋、大久保秘書の前の話でしょ。そんなものは、それは実際そうだったんでしょう。じゃあそれが本当に大久保氏の時代に具体的にどういうことがあったのか。さらには最近までどういうことがあったのかというようなことについての具体的な事実認定は殆ど出来ていないし、あの時の全面降伏の西松事件の判決でも裁判所は対価性は否定しているんですね。西松建設側の政治団体の政治献金と公共工事の受注との対価性を否定しているんですよ。そういった事を、一体今回の判決でどう見ているのか。証拠関係も何も示されていないと分からないですけれども、そこも無茶苦茶な話ですよね、この2点。ただ、その認定も無茶苦茶だけれども、全部が無茶苦茶ですから。無茶苦茶じゃないところが殆どないんですよ。
もうひとつの無茶苦茶は、石川さんの行為をどう認定するのかというところなんですね。さっきも私は言ったように、せいぜい認定できるのは期ズレ。2カ月余りの期ズレがあったと。実際よりも遅れて不動産の取得とか代金の支払いが記載されていた。これはちょっと虚偽じゃないとは言えないだろうと思っていたんだけど、もうその認定たるやすごいですよね。水谷建設からのヤミ献金を隠す目的で虚偽記入をしたと。最も悪質な虚偽記入の動機にされちゃってるわけですよ。
しかしこれは、さっき言った、そもそもこういう立証、水谷建設の関係者の証人尋問、そのヤミ献金の事を冒陳に書くということを認めた段階からそうならざるを得ないですよ。だって裁判所としては、関連性ありと判断して証人尋問を認めたわけでしょ。水谷建設のヤミ献金があるんであれば、その事実が立証されるんであれば、これは4億円の虚偽記入と関連性があると判断したんですよ。証拠採用した段階で。ということは、それが認められちゃって、もうペラペラ水谷建設の関係者は喋りますよ。認められちゃいますよ。そしたら今度は、いや関連性はないんだと言えないでしょ、裁判所も。そしたら前後で矛盾した判断をすることになっちゃうじゃないですか。だから関連性ありと判断するしかないですよ。
関連性ありとはどういうことかと言ったら、このお金が陸山会側に渡ったから、だから虚偽記入が行われたんだと。背景・動機になってるんだと認定せざるを得ないじゃないですか。そうすると石川さんはそのこと何にも供述してないですよ。もうこの水谷マネーを関連付けられないようにする必要があった。そこで入札の時期と同じ時期に4億円の不動産の取得のことが表に出たら、それによってマスコミから追及を受ける。水谷建設からのヤミ献金の追及を受ける。だからそれを恐れて1年ずらしたんだと、こういうおよそ荒唐無稽な認定をしてしまうんですよ。これは傍聴していた新聞やテレビの人たちってどう聞いてたんですかね?」

岩上「シーン、ですよね。もう本当に僕はたまげてましたけれども」

郷原「だってそれ、さすがに、4億円の不動産を買ったという時期と、胆沢ダムで“天の声”がどうのこうのという話があったかもしれないけど、たまたま胆沢ダムの入札が同じ時期に行われたということだけで、ヤミ献金の疑いなんてかけますか?岩上さんでもやれないでしょ?」

岩上「(笑)でもってなんですか。僕はそういうことやりませんよ」

郷原「(笑)というのは、ハードルがあまりに低すぎるでしょ。そんなことが出来るとすると。だって、何の根拠もない。損害賠償、名誉棄損なんて考えない御用ジャーナリストみたいな人だったらやるかもしれないですよ。少なくとも大新聞・テレビ局で、あるいは週刊誌で、まともにそんなことが出来るなんて思えないですね。そんな追及が」

岩上「いま逆に引っくり返ってますけどね。ネットみたいなところで、あるいは週刊誌みたいな今まで三流ジャーナリスト扱いされているところが『これおかしいんじゃないか』と言って、一流紙と言われてるところほど『灰その通りでございます』と書いてますけれどね」

郷原「たださすがにそれは、その当時の客観状況だけ見た時に、ヤミ献金なんて事が報道できるわけないじゃないですか。それは誰かがヤミ献金に関連する事を証言しないと絶対出来ないし、少なくとも水谷建設の関係者は、今ならこんなことを言いますよ、もちろん。言わないインセンティブが働かないから。当時、もしヤミ献金があったとしても誰が言いますか、そんなこと。そう考えたら、そんなことを恐れて、4億円の不動産の取得と代金支払時期をずらすなんてことはあり得ない。全くあり得ない。だから明らかにあの認定はおかしいんです。ところがあの認定をせざるを得なかったんですよ。もうあの関連性を認めた段階から」

岩上「根本的な質問なんですけど、根本的に検事が訴因に挙げてないことを裁判所が勝手に訴因外で事実認定してしまう」

郷原「勝手にじゃないですよ。検察は立証しようとしているからですよ」

岩上「勝手にじゃない?しようとしている」

郷原「だから、しかも検察が組織として認めちゃったから、証人尋問請求をしているから」

岩上「訴因に挙げてなくてもですか?」

郷原「本来はあり得ないですよ。本来あり得ない。だからこれは昨日メルマガにも書いたんだけど、こういうことと同じ事ですよ。Aという殺人事件、これは非常に証拠が薄い。でもこの前に実はBという殺人事件について捜査が行われていて、これを一生懸命捜査したんだけども残念ながら証拠が固まらなかった。で、不起訴にしちゃった。それでAという事件について起訴したという時に、Bという殺人事件で、実はすごい動機があって絶対この同じ人間(被害者が同じとして)を殺す動機があったとか、実はこんなことをやったとかいうような話を立証して全部そこでの犯罪事実を立証する事によって、Aという事実は全然殆どそんな事実でも何でもないのに、殆ど範囲すら立証できなくて、殆ど無罪にならざるを得ないような事件を証拠にする。動機としてそれを認定の根拠にすることが出来るかって言ったら、これは出来ないですよ。実質そっちを処罰するようなもんじゃないですか。それと同じで、今回の水谷建設のヤミ献金をああいう形で立証して、それをこの4億円の事件の公判の中であんな重要な事実として適用するなんてことあり得ないです」

岩上「裁判所はなぜ自供の調書を不採用にしたんですか?ああいう事をしたんでこれはすごく真っ当な判断を下すんではないか。検面調書を不採用というのはそうそうあることではない。検察に対しても厳しい姿勢を持っているという期待感があったはず」

郷原「あれはさすがに、ああいうテープが出てしまうと検察の側に不利益な認定をしたくない裁判所でも、あれはああいう認定をせざるを得ない。それと同時に、今回の判決があまりに無茶苦茶じゃないですか。だから少しバランスを取ったのかもしれないですよ(笑)」

岩上「バランスを取ったんですか?じゃあ、あの判決ありきだったんですか」

郷原「その段階で決めてたでしょうね。当然」

岩上「あの判決ありきで、しかも採用まですると、いくらなんでも叩かれるから、検察にも少しお仕置きをということで?」
郷原「それか、もうひとつの見方としては、あっちでは検察を叩き、判決では小沢氏を叩き、まさに月光仮面のようにこいつも叩きこいつも叩きと言って目立とうとしたという見方も可能なんだけども、私はむしろそうじゃなくて、結局検察が組織として決定してきたあの立証方針に対して抵抗できなかった。そして水谷建設のヤミ献金の立証を認めてしまった。そうすると結局そうならざるを得なかった。その中でバランスを取った。証拠却下のほうで。その可能性が強いような気がしますね。彼らはやりたくてやったわけじゃないです。言ってみればこんなデタラメな裁判史上に残る汚点みたいなことを誰だって裁判所だってやりたくないですよ。その裁判官どんな顔つきしてました?」

岩上「しれっとしてましたよ。あの裁判長の表情から色んなものを読み取るというのは難しいですよね。早口でどんどん読んでいくような感じですね」

郷原「私はね、決してやりたくてやった事じゃないと思いますよ。それは何ぼなんでも恥ずかしいですよ、あんな判決を書くのは」

岩上「今回、メルマガで意外な物語を結び付けているんですが、東電OL殺人事件の構図と、この裁判の構図と今回は似ているというお話ですけど、これはどういうところが似ているんでしょうか?」

郷原「全然違う事件だし、判断した内容は違うんだけども、東電OL殺人事件というのもあの一審無罪判決の後、通常であれば無罪判決が出たら勾留は失効するし被告人は自由の身だと。自由の身になった後で控訴審が開かれるというのが普通ですよ。ところが外国人だったから、自由の身になったら本国に帰っちゃって二度と来ない。そうすると控訴審で仮に有罪になっても刑が執行できないという可能性があったということで、再勾留を検察が求めるんですね。それを地裁とか、最初の高裁の裁判部は却下したんだけど、それを認める事になるわけです。その後高裁で審議する事になる裁判所が」

岩上「要するに担当部門がやっちゃうんですね」

郷原「最高裁に特別抗告したけども、3対2というギリギリで最高裁が認めるんです。その段階でなぜ再勾留が出来たかと言ったら、罪を犯したと疑う相当な理由があるからというわけです。無罪判決が出ているのに。無罪判決が出てるのに、罪を犯したと決めつけてるんですよ。再勾留した段階で。ということは、そこで認めておいて、身柄を何カ月も拘束しておいて、最後、やっぱり無罪でしたと言ったら、やはりその間の身柄拘束は不当な人権侵害じゃないかと言われますよね。そうすると、最初の段階はよっぽど何か罪を犯したと疑うに足る事情があったんじゃないか。それが何か公判で引っくり返ったのかということが問題にされますよ。何にも引っくり返るものはないんですから。元々、圧倒的にあの犯罪は疑わしかったわけですから。そうなると結局有罪だというような判断を前提にして再勾留にしてしまった。事実上、もうそこで結論を決めてしまったんじゃないかと思うんですよ。もうそこで勝負は決まった。だから判決というのは当然有罪になるべくして逆転有罪になるという意味で、先行した判断が最終的な検察寄りの有罪判決の決定的な原因になったという構図が似ているんじゃないか」

岩上「先行した判断というのは今回の場合はどの点を指すんですか?」

郷原「証人尋問請求を認めたというところですよ」

岩上「そのヤミ献金の方で」

郷原「ヤミ献金についての水谷建設の関係者の証人尋問を認めたということです。これが本来はあり得ない判断なんです」

岩上「ここですね。我々は証拠の自供の方に目を奪われていたけれども、そちらの方は実は非常に重要だったと。お時間ないと思うので最後の質問。これは石川さんがずっと前から主張してます。検事に言われたと『お前は小沢一郎への階段なんだ』今回の件が小沢一郎という男こそ問題の人物なんであって、そっちに繋げていく一つの材料に使われるんじゃないかと。こういう懸念がずっと言われてきましたけれども、この強引な判決の仕方に非常にこの裁判自体が政治性を帯びているのではないか。こういうふうな見方も非常に強まってます。郷原さんは、この裁判は司法のテクニカルな問題で一つエラーが出たんだとお考えですか?それとも小沢一郎の裁判も含めた極めて政治的な、それ故に司法が歪められた事例なんだとお考えですか?」

郷原「そこは何とも言えないですね。私が今日説明したような、今日述べたような見方を前提にすると、必ずしも政治的な意図というものがなかったとしてもあり得ることかなと思うんです。検察が水谷建設の裏献金の立証を無理筋なのに組織として決定した。裁判所がそれを認めざるを得なかったという事から派生して最終的にこんな簡潔になったんだとすれば、そこに必ずしも政治的な意図というのはなかったかもしれない。しかし、あったかもしれない。政治的意図があり、尚且つそういった事をやったんだと、こう進めてきたのかもしれない。そこは何とも言えないですね」

岩上「じゃ最後に。これは今日から公判が始まります。今日判決が出るわけではないですけれど、小沢一郎さんの裁判の方に与える影響、その見通しというのはどうなんでしょうか?」

郷原「常識的に考えて、影響ありません」

岩上「え?ありません?」

郷原「ありません。というのは、さっきから言ってるように、刑事裁判の常識から考えると、あの石川氏たちの裁判が異常ですから。こんな異常な判断というのは、あの裁判の特殊事情のために行われた判断であって、それは今回の小沢氏の裁判でそのまま同じような判断になるとは私には思えません」

岩上「そこには司法の常識とか良識が働く可能性があるということなんでしょうか?」

郷原「ええ。しかも展開が違うじゃないですか。水谷ヤミ献金の立証がどうのこうのという展開がその通りになるとは思えないですよ、小沢裁判では」

岩上「もう早くも一部テレビでは、識者と言われるような人間が、この全体の事件の主犯は小沢一郎だというような事を言っている」

郷原「とにかく実態がどうかということと、今の裁判の展開と証拠関係がどうかということ区別していかなきゃいけない。実態そのものの話は全然別の問題の話です。少なくとも裁判としてはこの石川氏たちの裁判では無茶苦茶だし、それと小沢氏の裁判は全然別です」

岩上「まあでも異常なことが二度起きる可能性もあるわけですよね」

郷原「それは、その展開如何ですよね。今予測は出来ませんね」

岩上「分かりました。どうも有難うございました。お忙しいところ、すいません。どうも有難うございました」

(郷原氏、退席)

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