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日米交渉を経験した榊原英資氏が語る全マスコミがTPP賛成の理由「背後から弾がとんでくる!」「日本の外務省の半分はアメリカ側につく!」

日米交渉を経験した榊原英資氏が語る全マスコミがTPP賛成の理由

「背後から弾がとんでくる!」「日本の外務省の半分はアメリカ側につく!」

前フリ



榊原英資氏
外圧を使って日本を変えようというのは、20年前、僕なんかが考えたことですよ。ですけど、このTPPというのは実は関税をゼロにして貿易量を増やそうというだけじゃない。TPPというのは非常に分野が広いんですね。農業、医療、政府調達、金融。そういうのが入っている。そういうところに対して、グローバリゼーションを進めろというのがTPPの議論の中心。アメリカがグローバリゼーションという時にはこれはアメリカナイゼーション。ですから、アメリカ的制度にTPP参加国はしてくれとアメリカは間違いなく出してくる。その時に、日本がそういうことをやったほうがいいのかどうか。
 例えば、1つの問題点になっているのは混合診療。日本は健康保険制度を持っている。アメリカは持ってないですね。メディケアやメディケイドとかいうのを持っていて、基本的に自分のお金で医療を受けるというか、そういう形になっている。だから当然のことながら、混合診療というのは交渉のプロセスでいえば、今日本では違法ですから、だいたい。これを合法化しろということを言ってる。それが良いかどうかという判断は色々あると思いますけども、恐らく日本の健康保険制度の一角が崩れる可能性がある。そういうことを本当に受け入れるのかどうかということ。
 それから政府調達。いま、日本の場合には地方での公共事業では地方の建設業者を優遇するという制度がある。これは法律がある。これもおそらくアメリカは不公平だと言ってくると思う。アメリカの企業にも公平な条件で参加させろと言ってくる可能性がある。それでいいのか?すると、今10万の単位で日本にある建設会社は次々バタバタと倒れる。
 ですから、外圧を使って日本を変えろという意見はかつては有効だったけれど、外圧で日本的な制度でいま維持されていて維持すべきものまで壊れてしまう。そういうことを本当にやって良いのかということが一つ。

 もう一つ、僕がTPPに慎重なのは、TPPというのはアメリカとオーストラリアがアジアの統合に対して俺たちも入れてくれという意見表明。実は東アジア、日本・中国・韓国・ASEAN10カ国というのはもう事実上、相当経済統合している。いきなり貿易率が60%ぐらい。アメリカやオーストラリアがそれに入れてないので、俺たちも入れてくれよ、というのがTPP。ですから、当然、中国は冷ややかに見ている。アメリカとFTAを結んだ韓国ですらそれに飛び乗る気配はない。だから、(東アジア、ASEAN諸国の経済統合に)入れてくれというのをダメだと言ってはねつける必要もないけれど、中国と一緒にどうしようかと考えていればいいんであって、TPPにいきなり日本が参加しなければ国際的な関係が維持できないなんていう話じゃない。
 だからその辺は、アメリカの言いなりに何でも従っていればいいという時期があったが、もうそろそろ日本独自の国益を考えて行動すべき。日本の国益というのはむしろ、東アジア統合を大事にしてTPPに対しては最終的にどう対応するかということはともかくとして慎重に対応するというのが日本の国益だと思う。

 例えば、医療。アメリカの医療で言えば、僕はアメリカに10年住んでいた。アメリカというのは公的保護がないので大変。民間保険に入らないといけない。(反町:高いですよね)恐らく所得の1割近くを民間保険に。これは勿論、保険会社にはプラスになる。ですからアメリカというのは交渉するとき、どうしても企業に利益を反映して交渉するので、僕は日米交渉をやったけど、保険交渉なんていうのは後ろにAIGが付いている。
ですから恐らく医療でも混合診療を押してくるんでしょう。混合診療にして、民間保険に入れというようなことを言ってくる可能性がある。本当にそれでいいのか。
もちろん、日本の医療や保健制度にも問題はある。全く問題がないと言ってるわけじゃないが、日本は平均寿命が一番高いところ。これは食べ物も良いけど、やっぱり医療制度が遍く国民全体に行き渡っているということがある。そういう医療制度を守らなきゃいけないという部分だってある。
ですから、ともかく外圧をかけて変えていけばいいというだけじゃなくて、日本の中で守らなきゃいけないものってあるじゃないか。地方の建設会社もやっぱり守んなきゃいけない」

若松「これはあくまで交渉ですよね。でも伺っていると、何か無条件降伏のように聞こえる。日本の交渉能力がゼロみたいな感じだが」

榊原氏
「例えば、アメリカとの交渉は非常にシビア。(伊藤元重:そりゃそうですよ)非常にシビア。僕も保険交渉を2年ぐらいやった。アメリカは勝手な国なので相当押してくる。
 それからアメリカが非常にうまいのは、日本のマスコミ対策。ですからアメリカと交渉するときには必ずうしろから弾が飛んでくる。今だってそうでしょ。TPPに日本のマスコミは全部賛成でしょ。なんかおかしいなって思ってた。どっか反対してもいいじゃないかと。
(指摘された瞬間の気まずそうな若松の表情)20111112193055.jpg
非常にそういうところがうまい。そういう説明の仕方。アメリカの大使館はマスコミ対策している。もちろんしている。そういう意味で、日米交渉というのは非常につらい思いをした。うしろから弾が飛んでくるから。
いつもそういう状況に、日米交渉はなるので、そうなってくると日本の交渉力は弱い。非常に、日本がアメリカのマスコミに働きかけてアメリカの世論を変えることはなかなかできない。ところが、アメリカの場合には、かなりそれが出来る。そういうノウハウを持っている。CIAもあるし。そういう意味で日米交渉というのは非常に日本の交渉力は弱い。自分でやってみてそう思う。僕は相当タフにやったつもりだけど


伊藤元重「問題は、あえて言うが外務省が混合診療について触れたのは役所だから当然。後でやっぱりあったじゃないかと。じゃあTPPの中で医療の問題がどれだけ議論されているか。もちろん、議論される可能性はもちろんある。だけど、まだ全然大きくなっていない話をやたら引っ張り出して来て、反対のために反対しているようなところがある」

榊原氏
「いやいや。医療だけじゃない。医療、農業、金融。
 例えば金融の場合には郵貯と簡保が問題になるでしょう。政府調達。政府調達の場合は地方の建設会社が問題になるでしょう。そういういくつか問題があるところが見える。そういうことを必ずアメリカは言ってくる。それも分かる。その時に、外務省というのは半分アメリカ側に付く。そうすると日本の国内官庁がよっぽど頑張らないとアメリカに説得されてしまう

八木「交渉に参加してそこで色々という」
榊原氏「飛び乗る必要はないと僕は言っている」
八木「交渉に参加した時点でそこはかなりそこは厳しい状況に?」
榊原氏「交渉に入る条件というのは全て関税をゼロにする。なくせということでしょ?そんなの出来っこない。日本の今のお米の関税をゼロに出来るか?それを前提にして交渉に入る。そんな交渉に入らないでしょ」
反町「入ったあと例外をお互いに探り合って」
榊原氏「そんな。入る時にゼロにすると言っておいて、入った後に交渉すりゃ何とかなるなんていうのは理屈としてはおかしいですね」
反町「それは無理ですか?」
伊藤「通商交渉ってそういうもんでしょ?」
榊原氏「いやそんなことない」
伊藤「いや、そうですよ」
榊原氏「最初にコミットする場合は、それは別」
伊藤「条約の場合はそうですよ」
榊原氏いやいや。僕は交渉をやりましたよ、伊藤さん。ね。最初にコミットしたものをひっくり返すなんて、そんなの出来ない。普通は
反町「参加の前提はあとから例外規定を持ち出すのは不可能である?」
榊原氏「いやいや、例外なしと言って参加したらね」
反町原則という言葉が付いてる」
榊原氏いや、関税ゼロと言ってるわけでしょ」
伊藤原則ですよ」

反町「原則として関税ゼロなんですか?あれは完全に関税ゼロなんですか?」

榊原氏原則とは言ってないですね。関税ゼロが前提だと言っている。原則とは言ってない。【In Principle】という言葉はないと思いますよ」




榊原氏
「まさにASEAN+3で色んな事をやっている。事実上、まだ政府は出来てないが東アジアの経済統合は進んでいる。例えば、いま日本の最大の貿易相手は中国。10年前はアメリカだった。ところがいま日本の輸出の20%は中国、15%がアメリカ。だから日本はもう東アジアのサプライチェーンの中に入っていて、東アジアの巨大な工場の一角になっている。ですからASEAN+3が日本にとって非常に大事。アメリカが大事じゃないということじゃない。だけど、TPPというのはそういうASEAN+3の中にアメリカもオーストラリアも入れてくれよと言っている。それに対してダメだと最後まで突っぱねる必要はないかもしれないけど、ただちに飛び乗る必要はない。だから中国ももちろん冷ややかに見ている。韓国も飛び乗ってはいない。こういう状況だから慎重に対応しましょうよということ」
「今参加しないとして、中国参加しない、日本参加しない、韓国参加しない。そうすると、今TPPに参加している国というのはアメリカとオーストラリアといくつかの小さな国。そこに、他に大国が乗ってくる可能性は殆どない。それであればいま乗らなくても全然良い。日本が乗ることでTPPが実体化する。日本が乗ることをもちろんアメリカ、オーストラリアは望んでいる。そのことによってTPPが非常に大きな意味を持つ

反町「そういう意味で言うと、今乗らないで、1、2年待ってオーストラリアから、頼むから来てくれと言われるほうが日本にとって有利な参加条件になりますか?」

榊原氏「なるでしょうね(笑)」



榊原氏「全然そこは違って。要するに、今TPPに乗らなければ日本がどうにかなるという状況には全くない。TPPというのはアメリカやオーストラリアが危機的な状況を、ある種の危機を感じて、東アジア統合に対して。それで、入れてくれと言っている話。だからそれに関して未来永劫冷たくする必要はないけど、それに飛び乗らなきゃおかしくなるなんていう話じゃない。
FTAAPについて)それから伊藤さんが言ったTPPのコンテクストから考えると、やっぱりEUみたいなある種の経済統合体を作ろうという努力の第一歩でもある。それじゃ、アジア太平洋でそういうのを作るのかということ。これは非常に大きなイシュー。日本と中国があるわけだから。日本の最大の経済相手である中国があるわけだから。中国は絶対乗らない。そうするとTPPという言わば制度を一体化するようなEU的なものにそこで日本が乗っていいのか?」

反町「TPP推進論者の方は、今日本がTPPに参加することにより一定の土俵を作り、最終的に中国の中の内政の中の改革圧力を高めるんだと。向こうが乗ってくるときのハードルを作っておくんだということをおっしゃる方も。あ、もう笑っちゃうぐらいの感じですか?」

榊原氏「うん。笑っちゃうね。中国が乗るわけないからね」



榊原氏考え方が全く古い。開国か保護かみたいな発想でいるわけでしょ。日本は充分開国している。関税率からいっても先進国の中でも平均が一番低い。米みたいな例外はあるが、これを開国するか開国しないかなんていう議論でこれを捉えるのは全くおかしい。TPPはさっきも言ったように多くの分野を含んでいる。多くの分野を含んでいてその制度を一致させようと。アメリカ化させようという努力。つまりヨーロッパみたいな経済統合体を作ろうと。制度的に同じようなシステムを持った国をたくさん作ろうというのがTPP。だから日本は充分開国している。もしやるのならアメリカとFTAを結んだらいい。FTAを結ぶことは決して反対じゃない。色んなところとFTAを結ぶことは僕は賛成。だから、開国という意味では今でも充分開国しているし、自由化というなら、更にしたらいい。しかし、TPPはそういう発想(開国か鎖国か)で捉えたら間違えますよ。非常に範囲の広いもので、日本をアメリカにするということ。それでいいのかということ

反町「日本の政治力とか外交力に期待されてますよね?」

榊原氏「あまりない」

反町「両方伺っていると、伊藤さんのほうが内政の貧困を外圧に求めるようなところを感じる。榊原さんのほうが日本はもっと頑張れるとおっしゃっているように聞こえる」

榊原氏「日本の内政はそんなにおかしいとは僕は思わない。ただ日本は外交力ない。今度のTPPだって野田さん、スッと乗っちゃったじゃない。あれはなんですか、一体!総理としての資格を問いますよ、僕は

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