Sekilala&Zowie

No one is free, even the birds are chained to the sky.


(前編)山口教授のホントの経済2011.11.26(土)激論!ニッポン経済の明日「TPPのホントの姿とは?」 【要旨まとめ】ゲスト:山田 正彦(民主党衆議院議員 前農水大臣) 郭洋春 (立教大学教授) 【食の安全】【韓米FTAに盛り込まれた毒素条項】【USTR次席代表マランティス来日~自動車の非関税障壁】

(前編)激論!ニッポン経済の明日「TPPのホントの姿とは?」
山口教授のホントの経済2011.11.26(土)
総合司会   野村 真季(テレビ朝日アナウンサー)
総合解説   山口 義行(立教大学教授)
ゲスト    山田 正彦(民主党衆議院議員 前農水大臣) 郭洋春 (立教大学教授) 

≪1_6≫要旨まとめ


【TPPってなに?】

野村 「TPPに関しては野田総理が表明したのか、してないのか?“関係国との協議に入る事を表明した”というよな発言」
ー山口 「入るために交渉することとかなんとか」
◆山田 「参加に向けてというような言い方はした」
ー山口 「TPPって何?ということだが、環太平洋を取り囲む諸国の中で、自由な経済的交流が出来る共通のルールを作りましょうというのが簡単に言うとTPP。地図(*)を見ると確かに取り囲んでいるように見えるが、ただ日本とアメリカを除くと割りと農業国であったり独自の産業をあまり持っていないとか。
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これがアメリカが入り日本が入りということになると一つの経済圏として存在感が出てくるという事だろうと思う。自由な経済交流という事なので、基本は貿易の関税を基本的に全部なくしましょうという事。“自由な経済交流”という言葉を聞いただけでは“良いじゃん”と思うのだが、実は非常に問題が多い。そのひとつは、それぞれの国に得意な産業もあれば不得意な産業もある。それを自由にただ共通のルールでやると不得意な産業が衰退してしまう。例えば、日本だと農業がダメになるかもしれない。例えば、一国が例えば工業ばっかりで農業が全然ダメだというようなアンバランスな国民経済が本当に正しいのかと。例えば、何か自然災害があって各国が食糧を輸出しないとなったら食料自給率ない日本は急に食べれなくなるみたいなことが起き得る。やっぱりある程度それぞれの国である程度のバランスは持っていなきゃいけないと考えると、その自由な経済交流という話と国のバランスをどう取っていくのかというところで色んな矛盾が起きてくる。そこのあたりがひとつは論点になってくると思う」
野村 「TPPの参加表明と捉えるか否か、山田さんは?」
◆山田 「総理の記者会見をつぶさに聞いてもらえれば、交渉に向けて関係国との協議を始めると言ったんで、みんな参加と思ったと思うが、実は協議は去年の菅内閣の時の閣議決定で情報収集の協議をやることまでは始まっていた。今回は半歩進んだとか一歩進んだと言われているが、交渉参加表明ではなく、協議の中身についてさらに情報収集を進めて関係国の求めるものを明らかにし、それを国民的議論を経たうえで交渉参加するかどうかの結論を得ていくと野田総理は述べている。国会でも予算委員会で『交渉参加が前提でない』と認めている。そういう意味では交渉参加ではなく、事前協議だと思っている」
柳田 「私は参加するんだとてっきり思っていた。テレビや新聞を読んでそう思っていた」
ー山口 「日本が参加しようと思うと向こうが日本の参加条件を言ってくる。そうした交渉に向けて色んな国と話して、情報収集してその情報を国民に知らしめて、どうするかをみんなで議論して、というのが総理の言っていた内容をきちっと再現するとそういう話だという事ですね」
◆山田「それでいいと思います。交渉参加国は今9カ国。今月もマレーシアでやるがそこに日本は入れない。交渉参加じゃないから。今は事前協議の段階。交渉参加する前にちゃんと国民に情報を開示していま求められていることを明らかにしてどうするか、という国民的議論を経たうえじゃないと交渉参加の是非は判断できない」
ー山口「そうすると、もう一回国民に問うプロセスはあってしかるべき?」
◆山田「そうだが、今すでにアメリカから要求が来ている」

【日本にとってのメリット、デメリット】
ー山口 「実はご承知のように貿易関税だけの話じゃなくて、金融とか保険とか食の安全とか全部に関わってくるので国のかたちが変わると山田さんなんかがおっしゃっている。ただ、普通にテレビ見ている人が何を感じたかと言えば、農協を中心に農家がすごく反対しているというところから入るが、TPPに入ると農業は相当大きな影響を受けるという事は間違いないと考えていいか?」
◆山田 「そうですね。かつて木材を関税ゼロにしたときに林業はダメになった。丸太50年物のヒノキ一本と大根一本の値段が一緒になった。それから毎年一兆円近い金を地方と政府で林業再生のためにつぎ込んだが、20年経っても山は荒れたまま。農業も漁業もそうだが、従事している人の意欲の問題でもある。例えば宮崎の口蹄疫の人たちが豚をもう一回飼うと準備していたのに、この前行ったら辞めたと言う。そんなことないよと言ったが、日本の農業は自給率40%だが、試算次第では13%か14%ぐらいにまで落ちるだろう」
ー山口 「平成の開国とかよく言われたが実は農業も相当関税を下げるだけ下げていて、影響があるのはほんの少しだという議論もあるが」
◆山田 「影響はかなり大きい。関税がかなり下がっているのは事実。農産物の平均関税は11%ぐらい。これはEUの半分ぐらい」
ー山口 「EUよりももっと開国が進んでいると。一部の物の関税が非常に高いから平均すると数字が結構いくが、その一部のところの最後の砦みたいなところが崩れるんじゃないかということになるのか?」
◆山田 「自給率を支えているのはコメとか畜産とか砂糖とか。コメは788%とか言われているが実際の関税(実質関税)は200%ぐらい。砂糖が300%ぐらいある」
ー山口 「畜産がかなり影響がある?」
◆山田 「(影響)あると思っている」
―――韓国の場合
◯郭 「山田先生は先ほど、野田総理はTPPへ参加表明していないとおっしゃったが、韓国ではすべてのマスコミが“日本はTPPに参加した。これによって韓国の対外競争力は非常に厳しくなる”と。これを受けてイ・ミョンバク大統領は今月の22日に与党による単独採決に及んだとなっている。外国は、あれはもう参加の意思を表明したと読んでいる。韓国は強行採決、FTAに固執したかというと、元々韓国は対外依存度が60%を超えるほど世界市場に依存している。貿易依存度がGDPの6割以上超えている。アメリカがTPPに加盟して韓国がそこに入らないとなると対外貿易環境が悪化する。韓国はこれまでの間、一番の対外輸出先であるアメリカとのFTAに加盟することで同じ効果が得られるということで、アメリカ議会ではすでに批准していて、米韓首脳会談で来年の一月には開始すると確約したので今月中にでもしないとアメリカから突き上げられる。韓国民が相当反対しているにもかかわらず強硬採決に及んだ」
ー山口 「韓国では農業に関してどういう説明をしているのか?」
◯郭 「2004年にチリと最初にFTAを結んだが、それから直接支払いも含めた個別補償と輸出できる農産物は徹底した保護と育成、この際廃業するというところは廃業支援という形でだいたい国家予算の三分の一ぐらいの予算を費やして農業のために、育成、補償、場合によっては誘導、というような予算を作っている。多くの農民は今でも反対しているが一部は輸出産業として生き残っているので、ある意味では農業も二分しているので、そこが全く日本とは違う状況」
◆山田 「私も韓国に行ってきたが、養豚業者の7割ぐらいは廃業を決意をしている。韓国は農業を捨てて8兆円と言われている基金はおそらく農業を辞めることにお金を出しているんじゃないかなと思う」
◯郭 「韓国は輸出依存型と言ってもサムソンやヒュンダイという一部の財閥によって経済成長がなされている。10大財閥と言われている韓国の上場企業の売り上げの6割を持っている。サムソンやヒュンダイは殆ど世界市場で世界一のシェアを誇っているので、彼らが生き残るのは国内市場ではなくアメリカや中国のような世界市場。イ・ミョンバク大統領はもともとヒュンダイグループの出身でもあり、韓国を成長させるのに何が一番手っ取り早くて何が重要かと考えた場合それは農業ではなくて製造業、或いは一部の半導体や自動車産業。それも一部の財閥に特化し行ないたいという、ある意味では分かりやすいというか、1点集中してそこを突破口に成長させていくという。逆に切るものは切っていくという形」
ー山口 「逆に日本でTPP推進しようとする人は韓国と同じ論理で、韓国ではTPPが出てきて日本ではFTAを持ち出して相互に不利になると言いながら推進していく構図。実際にTPPを使ってどの位得があるのかについて、農林水産省は農業の影響がすごく大きいと計算し、経産省は関税ゼロで輸出が伸びると言っている。一体どっちなんだという事で内閣府から数字が出た。その数字、“GDPの押し上げが2兆7千億”と言っていて、結構あると思ったら実は“10年間で2兆7千億”だと。そうすると、一年で2千700億。それだけのために相当大きなリスク、犠牲を負う可能性がある事をやろうとしている」
◆山田 まず関税ゼロにすると関税収入が年間8000億減る

≪2_6≫要旨まとめ


◆山田 「関税ゼロにすると牛肉や砂糖などにかかっている関税収入が入ってこないので、それだけで8000億増税しなきゃいけなくなるんじゃないか。それで年間2千700億GDPが仮に伸びたとしても税収がどれだけ増えるか。逆に自動車や電気製品の輸出が伸びるかどうか、そこは先生どう思うか?」
ー山口 「確かに韓国が関税ゼロにしてどれだけ税金が得するのかと思ったら2.5%。家電製品でも5%程度だと言われている。韓国と日本は競争しているが、日本の家電製品は相当メキシコで作っている。メキシコと日本はもうFTAを結んでいるので関税は非常に低い。メキシコからアメリカに輸出する時はNAFTAがあり関税がない。従って、メキシコに部品を送ってメキシコで作ってアメリカに輸出している分にはあんまり関税は関係ない。という事は韓国に先に越されるという理屈がどうかと。自動車も2.5%だけど、これも殆どアメリカで作ったりメキシコで作ったりしているのでそのまま負担が来るわけでもないので、どうもあまりメリットを感じない。韓国の人たちは相当メリットがあると思っているのか?」
◯郭 「これも、日本と同じでデータが出ている。韓米FTAが結ばれると10年間で5.7%のGDPの押し上げがあると言っている。でも10年間という事は一年にするとわずか0.5%。雇用も35万人増えると言ったがこれも10年間。年間にしたらわずか3万5千人。そういった意味では実はあまりメリットはない
ー山口 「そうするとヒュンダイやサムソンのような海外市場が活躍する大手企業は多少有利かもしれないけど、その辺は?」
◯郭 「関税が少しでも低ければそれだけシェアが得られるという意味では一部の財閥にとってみれば少しでもメリットはある。今回のFTAもTPPも、もう一つの中国という巨大マーケットが全く無視されているようだが、実は中国が伸びているのでここへの対抗としてちょっとでも勝つために有利な条件を今のうちに作りたいという意味で言えば、単にアメリカと韓国と日本の三つ巴という関係ではなく、遠目で見ている中国という存在がTPPやFTAを進めていく大きなファクターになっていると思う」
ー山口 「僕も計算してもメリットがあるとはあまり思えないが、デメリットは先ほどの農業で言えば、よく言われる農業の競争力。その一つが大規模化と言われているが、本当に大規模化で競争力が付くのかという事については?」
◆山田 「私自身が若いころ、大規模化を図って牛だけで400頭、豚だけで年間8000頭出荷して、自分でとうとう肉屋までやって牛丼屋までやったけど。大規模化と言うが、今一番反対しているのは小規模の兼業農家ではなく大規模の農家がものすごく反対している。日本にとって大規模というのは非常に借金も多いしリスクも高い。日本の農地全体の中の7割が中山間地域。だから農水省は20ヘクタール、30ヘクタールに規模拡大したいというが出来る訳ない。むしろ1ヘクタールでもいいからその中で収益を高くあげれるような農業を日本はやるべき。小規模でもいいから日本の環境、美しい農村と、まあ野田さんはそう言ってTPPなんてとんでもないんだけど」
ー山口 「色んなデータがあるが日本の平均的農家の規模は1.4ヘクタール。TPPではオーストラリアがあるが、そこの平均規模は2400ヘクタール。そうすると今の農家の2400個分集めないとオーストラリアと同じにならない。アメリカでも180ヘクタール。フランスやドイツでも40とか50で、イギリスでも50ぐらい。フランスがドゴール空港を作る時に土地の交渉をした農家の数は3件しかなかったと。元々がでかい。そんなところが追いつけるわけない
◆山田 「北海道が平均40ヘクタールだが、北海道農家が一番反対している」
ー山口 「そういう形で競争力を付けるというのは不可能。そこでもう一つ出てくるのが直接支払。個別所得補償方式。これが色んな誤解がある。実はヨーロッパはFTAを進め関税をどんどん下げる代わりに直接支払いに切り替えてきた。これをちょっと見て頂きたい。農業所得の中に政府に直接支払ってもらっている割合がどのぐらいかという数字(*)フランスが79%ぐらい。ドイツが107.4%。イギリスが91.5%
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◆山田 「EUの農家の平均収入の8割が所得補償」
ー山口 「日本はまだ民主党が直接支払いする前の数字でその時は1.5%で今は少し上がってきている?」
◆山田 「日本は殆ど農家に直接支払いがなかった。政権交代して我々が初めて農家に色説支払うようにした。それまでは全中や農協などの関係団体を通じて払っていたが、政権交代して国と農家が直接契約して直接支払うようにしてきた。恐らく10%はいってると思う」
ー山口 「それをヨーロッパ並みにするとなると数兆円かかる」
◆山田 「しかも毎年かかるわけで」
ー山口 「2兆円から3兆円ぐらい必要だろうと言われている。そういう補償をちゃんとして、海外から安い農産物が入ってくると、競争でどうしても安く売らなければならなくなる。でも生産費はもっとかかっているからその間を所得補償するから辞めないで続けてくださいというのが個別補償の考え方」
◆山田 「ただ数兆円という財源をどうするんだという問題。復興するんでも増税だと言ってる時、国の借金がこれぐらいあると言っているのに出来るのかと言えば出来ない。出来なければ日本は韓国と同じようになっていくと思う。東日本大震災のときでも東京のスーパーから食料品がなくなったりしたが、いま世界27カ国でも穀物輸出国は禁輸している。インドやアフリカなどで人口が爆発的に増えていき、食糧危機が必ず来るという意味でも農業を守っていかなきゃいけない」
ー山口 「個別補償というとどうしても農家にお金をばら撒くという批判がたくさんあるが、例えば関税を止めたら安い輸入品が入ってきて、そんな安い価格じゃ作れないのでその分を補償するから日本の農業を続けてくださいという事であるから、安くなった分を補償してくれるということで、お金を受け取って所得が増えるわけじゃない」
野村 「プラスになるわけじゃなくプラスマイナスゼロに?」
ー山口 「安い輸入品と競争するには国内品も安く売らなければいけないが、下げた分が赤字になるのでその差額分を埋めるという考え方だから、そのことでお金が農家にたくさん回って農家が潤うという話じゃない。消費者のほうからすれば、今まで安全な例えば日本のコメなどを海外品並みに安く変えるチャンスが来るという消費者にとっては得な話で、農家ばっかりにお金ばらまいてという批判は当たらない」
◆山田 「所得補償の考え方は生産費というコストなどと売る価格が恒常的に赤字になっているところで、例えば米なら過去5年間の平均でだいたい10アールあたり1万5千円の赤字。そういう恒常的な赤字のところを所得補償しようと。何とか農業を続けてくださいというのが所得補償の考え方」
野村 「減反政策でもお金が行っていて、今回の個別補償政策でもお金が行くという、一体どっちなんですか?」
◆山田 「自民党政権時代は減反、コメを作らないところにお金が行っていたが、ところが我々はそれを全部止めて生産調整は残したが減反していると事に飼料米とか米粉米とか或いは麦とか大豆を作ることにお金を出すことにして作らないことには一切お金を出すのを止めた」
ー山口 「今だと作ると赤字が出るから作らないんだけどそこを補償してくれるんなら作ろうと。そこで食料自給率も上がる。これがちゃんと整備されきちんとやっていればいいんだけど出来ないうちにTPPの話になると」

【食の安全】

◆山田 
「その前にTPPをやると大根一本とヒノキが同じ値段になるというようなことになってしまう。もう一つ消費者にとって大事なことは、食の安全の問題。今、福島のコメからセシウムが検出されたとかで騒いでいるが、アメリカのジャガイモは収穫したあとに芽が出ないように放射線を当てる。日本では禁止している。それを日本が非関税障壁だと。ジャガイモでもう一つ、クロロプロファムという発がん性のある残留農薬があるが、日本はその農薬の基準を0.05ppmにかなり厳しくやっている。全部が厳しい。アメリカに言われて一気に1000倍に緩めた」
柳田 「ええ~!もう緩めたんですか?」
◆山田 「緩めた。いま50ppm。その時に厚労省の言い分はコーデックス基準(*)だと言ったがこれを調べると10ppm。ですからアメリカの基準は残留農薬の基準でも添加物の基準でもどんどんのアメリカンスタンダードでTPPをやろうとしている
                                                  

(*)国際食品規格委員会
国際食品規格委員会は一般にコーデックス委員会と呼ばれる。その名称はCodex Alimentarius(ラテン語:食品法典)に由来する。1962年FAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって設置された政府間組織。CACと略称されている。加盟国:174カ国および欧州共同体(2007年7月現在)
農林水産省 コーデックス委員会http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/codex/index.html
コーデックス委員会ホームページhttp://www.codexalimentarius.net/web/index_en.jsp
Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%A3%9F%E5%93%81%E8%A6%8F%E6%A0%BC%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A

                                                  
≪3_6≫要旨まとめ


【韓米FTAに盛り込まれた毒素条項】
ー山口 「食の安全となると農業だけの問題じゃなくなるが、韓国はアメリカとFTAを結ぶ中でそういう問題は?」
◯郭 「韓米FTAに盛り込まれた問題がある(*)。例えば今の問題で言うとsnap-backというのがある。
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《韓米FTAに盛り込まれた問題点》
  •  サービス市場開放のネガティブリストによる開放
  •  将来の最恵国待遇
  •  Snap-back
  •  ISD(投資家国家紛争解決)条項
  •  非違反提訴
  •  政府の立証責任
  •  サービス非設立権の認定
  •  知的財産権を米が直接規制
  •  金融・資本市場の完全開放
  •  間接受け入れによる損失補償
  •  公企業の菅前美祢以下と外国人所得持ち株制度撤廃
実際、自動車分野でアメリカの企業が韓国で売っても売れないということになるとそこには流通網や販売網になにか問題があるんじゃないかというとその段階で提訴できる。基本的には産業分野だが、もう一つ怖いのがラチェット条項というのがある。これは一度FTAで結んだ内容はたとどんなことがあっても止めないという話」
ー山口 「仮に規制を緩和したら、元に戻すということをしてはいけないと?」
◯郭 「例えば、アメリカから輸入した牛肉から狂牛病が出るとすると、前だったら韓国では止めることが出来たが、それが止められない。牛肉を輸入することを認めたじゃないかと。狂牛病が起きてもそれはそれで処理すべきで牛肉全体の輸入を止めるということ自体は条項に違反するという事で止められない」
野村 「でも、条項に違反することと国の利益を守ること、国民を守ることって相反するわけですよね。それでもその条項のほうが優先されるということになるわけですか?」
◯郭 「そうですね。それは次にISD条項に引っ掛かる可能性がある。要するにこれはアメリカの企業が韓国で商売しようとすると。それが色んな規制によって妨害されたというふうに思ったら企業が国家を訴えることが出来る。なので、今の例だとアメリカの牛肉業者が韓国政府、或いは自治体によって自由な経済活動を妨害されたということになり、それに対して韓国政府を訴えることが可能になる」
ー山口 「アメリカの輸出業者が韓国政府を訴えると。どこへ訴えるかというと世界銀行の中の裁判所みたいなところに訴えることになる。そうするとそのことによって起きた賠償までしなきゃならないんですよね」
◯郭 「そうですねISD条項《相手国に投資した企業が、相手国の政策によって損害を被った場合、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴出来る》というもので、実際これはNAFTAで46件ほど係争状態になっている。実はアメリカも訴えられている。46件のうち15件ほどアメリカもしくはカナダ、メキシコが企業から訴えられている。ただ、アメリカ政府は1件も負けていない。逆に残りの3分の2については基本的には和解もしくは一部容認という形でアメリカの企業がメキシコないしはカナダ政府から何らかの賠償金を取っている。他はまだ実態が不明という事と継続中で、具体的に請求却下というのは殆どない。アメリカが圧倒的に強い」

◆山田 「強い。実際に世銀の中で3人でやる。しかも非公開。普通の裁判と違う。現にオーストラリア政府はアメリカのフィリップモリスという会社からFTAで訴えられている。国内の衛生法では癌になる恐れがあるので飲み過ぎに注意しましょうという広告をしているが、その国内衛生法の広告が貿易障害だからアメリカのタバコ会社がオーストラリア政府を訴えると」
ー山口 「吸いすぎに注意しましょうなんていう広告をやってたら訴えられると。例えば、遺伝子組み換えによるものではありませんという広告を今出してますよね」
◆山田 「今ニュージーランドもオーストラリアもTPP交渉の中でそれは止めなさいと言われている」
ー山口 「止めなきゃいけなくなる?」
◆山田 「私の情報では米韓FTAでもう遺伝子組み換えの表示は止めたと聞いている。訴えられるから」
◯郭 「なんでアメリカはこれに負けないかというと世界銀行が1947年にできるが総裁はずっとアメリカ人。世界銀行が融資するときの議決権は融資した額によって議決権が決まっている。実はアメリカがトップで議決権のうちの17%以上を持っている。だから何をやってもアメリカが勝つようになっている。世界銀行という中立的な機関でも実はアメリカの意向が働く国際機関
野村 「そうなるとISD条項が一見中立的な表現でまとめているようだけども公平であるように見せて実はアメリカの利になっているという」
ー山口 「だから自分たちの独自の政策が打ち出せなくなるという事なので国会でも問題になったんだけど、野田さんはよく知らないと言ったのでたいぶ問題になった。その人がTPP推進に進んでいくというのはとても怖い。山田さんは参加表明ではないと言ってるけども実は既に向こうと交渉が始まっているという」

【USTR次席代表マランティス来日~自動車の非関税障壁】
◆山田 
「交渉じゃないけれども、慎重会で毎週、外務省や経産省を呼んで勉強会をやっているが、この前まで外務省はまだ事前協議はやっていないと言い張っていた。その日の朝までそう言い張っていた。私が『本当にそうか?』と言ったら『そうだ』と言ったが、アメリカの新聞では既に向こうのUSTRの次席代表マランティスさんが17日、18日に日本に来て、牛肉、保険、郵政、自動車の非関税の問題について日本側に更なる改善を求めたという記事が載っていた
ー山口 「日本側は外務省?」
◆山田 「外務省と経産省」
ー山口 「向こう側は要求を出してきている?それを言わない?国民に」
◆山田 「そう。それを国民に知らせようとしないから、私どもも野田さんに言いに行った」
野村 「その話からすると一見TPPは農業問題のように考えられるが牛肉や医療や簡保の問題などのほうに実は重きが置かれている?」
ー山口 「今少し気になったのは自動車。自動車をさらに開放しろという中身はどういう?」
◆山田 自動車の非関税障壁とはどういう事かという事で明らかにしろと経産省に詰めて、ようやく書面に出してきた。日本はユニークな技術要求や流通サービスセンターなど貿易が制限的であるから直しなさいと。元々アメリカの自動車業界はTPPに反対しているので、アメリカ政府がアメリカ業界を説得するためには日本の自動車の非関税障壁をまず改めさせなければ交渉に入れないということ
ー山口 「非関税障壁と聞くと日本がなないか悪い事をやっているようなイメージだけど、聞いてみると技術でしょ?技術力で勝つか負けるかという事をTPPで言うというのがどういうことか良く分からないけれども、技術を教えろと言っているのか?」
◆山田 ユニークな技術とはなんだ?と、いま聞いているところなのだが、日米協調対話というのを政府がペーパーを出してきた。そこでアメリカが自動車に関して何を要求しているかということが明らかになった。その文書を読むと、日本の自動車の持つ『先進的革新的技術の透明性』と書いてある。という事は、ハイブリッドの自動車技術とか低燃費の自動車技術とかの最新の技術をアメリカの自動車業界にもTPPでまずオープンにしろという事
野村 「ええ~?」
◆山田 「それだけじゃない。アメリカが自動車の非関税障壁で一番要求しているのは流通の分野。今はディーラー制度があって、それぞれトヨタとか日産とかやっている」
ー山口 「トヨタのディーラーがトヨタの車を売ってる」
◆山田 「そこでは自社の製品しか扱わない。それがアメリカのフォードとかGMにとっては差別的であるというわけ」
ー山口 「トヨタのディーラーがこれからはアメリカの車を売らなきゃいけないとか、トヨタのディーラーがトヨタの車だけ売っているのはけしからんと?そういう事を分かってるんですかね?自動車業界は。自動車業界は経団連の中の中核だと思うけど、TPPをやれと言ってた人たち。だけど自分たちが実は今狙われているということですよね。しかも技術をオープンにしなきゃいけないとか言われているのに」
◆山田「そういうところを分かってないんじゃないですかね。日産の古賀会長さんがたしか、自動車業界にとってTPPは実は本当は大変なことなんじゃないかと言ったら、米倉経団連会長さんが、日産の会長さんはエキセントリックだと言ったとか。自動車業界もこれから少しづつ分かってくるんでしょうが、それより我々国民にとって大事なことは自動車の安全技術、安全ルールを一つにしようというわけ」
野村 「それはTPP加盟国全部が同じ基準でやるという事?」
ー山口 「交通規則も揃えましょうみたいになる?」
◆山田 「そこまで行くかどうかは別としても、以前より、右ハンドル左ハンドルといったことも言われてきた。日本のミラーの安全基準もかなり厳しいが、そういったものがアメリカの基準に合わせられる可能性は十分出てくる。安全面で日本はかなり厳しい技術水準を持っているが、それをアメリカ並みに合わせろという形になっていく可能性がある」
ー山口 「こうなると、日本が殆ど独立国として自分たちなりの制度や安全基準などを持っていること自体がいけないという事になってくる。今の話を聞いて、韓国の状況を見て、さもありなんという感じ?」
◯郭 「そうですね。ISD条項もそうだしそもそもTPPは何が一番のメインなのかというと自由な経済活動。それは企業や投資家がどこの国に行っても差別を受けることなく、いわゆる内国民待遇を受けるという事。内国民待遇を受けるという事はアメリカの企業が日本や韓国に来た時に、流通や販売網で差別的な待遇を受けることなく、例えば道に迷っていたらそれは当然そっちが教えるべきだという論理。企業の自由な活動を妨げるあらゆる規制や制度は全部オープンにすべきまたは直すべきだというものがTPPやFTAにおけるアメリカが考えている自由な経済活動という事」
ー山口 「それで気に入らなければ訴えると。で、訴えた先で殆どアメリカが勝つと。実績を見ても」
野村 「はあ・・・」

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