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【米国の反中国戦略の要としてのTPP】 TPPにとってのホノルルAPEC首脳会談の意味についての考察  ジェーン・ケルシー(オークランド大学法学部教授) *一部書き写し

米国の反中国戦略の要としてのTPP
TPPにとってのホノルルAPEC首脳会談の意味についての考察
ジェーン・ケルシー(ニュージーランド・オークランド大学法学部教授)
翻訳:喜多幡佳秀(ATTAC関西)
2011年11月21日
http://ow.ly/8lOkG (Googleドキュメントが開きます)
原文はこちら↓
http://www.scoop.co.nz/stories/WO1111/S00589/tpp-and-us-anti-china-strategy-conclusions.htm
一部書き写し:

【米国の反中国戦略の要としてのTPP】
TPPにとってのホノルルAPEC首脳会談の意味についての考察  ジェーン・ケルシー(オークランド大学法学部教授)

パート1:戦略

提案されているTPPの背後にある本当の狙いが、今月ホノルルで開催されたAPECの会合であからさまになった。私達は常に、TPPを推進する動機が商業上の利益とは殆ど関係なく、中国の台頭に対抗するためにアジア地域における米国の地政学的/戦略的影響を回復することに深く関わっていると考えてきた。米国は中国を孤立させ、服従させるための一つの手段として、米国と米国企業の利益に奉仕し、米国と米国企業にとって強制される地域規模の法的な体制―TPPの脈絡の中では、結局のところ米国が望むことが受け入れられるような体制―を確立することを狙っている。

~~~~~~~~(以下続く)

これらの文書から4つの興味深い観察が得られる。

第一に、米国の立場の根本に関わり、最終的合意の可能性を左右する既知の対立点―米国の農産物の市場アクセスに対する制限、繊維製品の原産地に関する規制、知的財産権と医薬品に関する規制、ISDの手続きに関する規制と組み込むかどうかなど―は、言外の合意に熟知していない者には見えないようになっている。明らかに、彼らは重要な障害を隠そうとしている。

第二に、「貿易担当大臣から首脳へのレポート」―全参加国によって発表された唯一の文書である―は、米国が優先事項として主張したいくつかの点に全く言及していない。例えば、国有企業や、環境関連商品およびサービスに関する問題である。これらの問題は主催国である米国が起草した他の声明や、米国のビジネス界に対するスピーチの中でははっきりと強調されている。「競争を妨げる国有企業」に対する「規律」は、米国にとっては中国に向けられた優先事項であるが、この先例はベトナム、マレーシア、ブルネイ、シンガポールにも重要な影響を及ぼすし、文言によってはニュージーランドの現在および将来の国有企業にも影響を及ぼす、ベトナムは10月にリマで開催されたTPP会合で米国の提案を全面的に拒否した。

第三に、正式文書の極僅かな領域だけが「合意に近づいている」、あるいは「加盟国は一般的な規定に基本的に合意した」ないし「ほとんどの中心的な要素について合意した」と記述されている。リストされているそれ以外の領域に関する進捗については、様々に記述されている。「文言についての重要な前進があった」、「合意される文言は・・・するだろう」、「合意される文言は・・・でなければならない」、「この章についての協議事項」、「条例に関する重要な前進」、「原則に関する前進」、「・・・の規律と責任を確立することに合意した」、「共通の・・・を持つことに合意した」、「提案は下記のことを含んでいる・・・」、「新しい提案を検討中」、「特別の義務について協議中である」、「・・・新しいコミットメントを含むことになるだろう」、「新しいイニシアチブを検討している」などである。

これらの3つの点が第四の、最も重要な観察に行き着く。つまり、正式文書には新しい交渉期限は示されておらず、2012年中に交渉を完了するという多くの口頭での政治的コミットメントが示されているということである。おそらくはこの連携動作は意図的だった。「貿易担当大臣から首脳へのレポート」は暗黙に、期待を抑制した。このレポートは「交渉は複雑で時間がかかるが、その枠組みは成功に満ちた結論に向けての構造と弾みを与えるだろう」とのべている。米国が発表した文書では、2012年の新しい会合のスケジュールは2011年12月に決定されると書かれている。2012年中に協定の法律文書を完成させ、スケジュールやその他の細目に関する最大限の進捗を達成するという目標が示されたのは、個別の大臣や政府関係者との短時間のブリーフィングのなかでだけだった。最も先を行ったのがマレーシア首相である。彼は「国内の要求、発展段階の違い、国内の優先度レベルの違いを柔軟かつ現実的に考慮する」などのいくつかの運用上のキーワードが盛り込まれることを条件に、2012年7月という「野心的だが実現可能な」交渉期限が合意されたと報告している。フロマンによると、それは最終的な法律文書を2012年6月のAPEC貿易担当相会合での検討に間に合うように完成させるよう努力することを意味する。この会合は2012年のAPEC議長国であるロシアで開催される。

~~~~~~~~~(以下続く)

最大の見ものは、日本の野田首相がTPP交渉への参加の意向を表明するかどうかだった。国会内や与党内の強力な抵抗のため、最初の記者会見はあらかじめ用意された発言に終始し、日本の主要な企業ロビーである経団連は懸念を表明した。発表が行われた時、他のTPP交渉参加国からは曖昧な歓迎が表明された。これらの諸国は、日本は交渉への参加を承認される前に、本気であることを示さなければならないと言っている。

野田はハイリスクな決定を行なった。国会議員の半数は日本のTPP参加に反対している。一部の議員は原則の問題として、再び米国の植民地となる危険に対して主権と自主を擁護し、中国との関係を維持するためにTPP参加に反対している。ほかの議員は、特に農村部において、有権者を見捨てた場合の次の選挙での再戦の見通しを心配して反対している。さらに別の議員はタイミングを問題にしている―政府は災害からの復興をすべてに優先させるべきだという立場である。このような政治家の多くは野田の与党である民主党の党員である。党の分裂の可能性や、次の選挙で、あるいは次の選挙以前に政権が倒れる可能性もある。野党の自民党の大部分はTPP参加に反対してきたが、彼らがご都合主義であることは周知のことである。

議会の外では、論争は農業の問題を超えて、TPPが日本の国民健康保険制度や、凍結されている日本郵便の郵便・銀行・保険事業の民営化、厳格な食品安全基準―BSEに対応した米国産牛肉の輸入制限を含む―等に及ぼす影響をめぐる論争へと拡大している。

このような経済的及び社会的関心と同時に、米国の外交政策上の目的への関与の深まりが中国との緊張を高めるという懸念もある。日本人の間でのアメリカ帝国主義に対する反発を過小評価するべきではない。この地域における米軍の出撃拠点である沖縄の基地の閉鎖をめぐって、沖縄の中での移転を進めようとする動きには依然として大きな反対がある。TPPが米国の範疇動く戦略の経済的な支柱であると認識されるようになったとき、外交政策をめぐる議論が激しくなるかもしれない。

この経緯と、日本の参加がTPPに現在欠けている最小限の規模を提供するという事実を考えれば、既存のTPP参加国の反応は不可解である。これらの諸国はリスクを引き受けた野田の決断を歓迎するどころか、日本が何らかの影響力のある提案を行う可能性を奪うような交渉プロセスを決定することによって、彼の傷に塩をすり込んだ。日本は交渉参加国として認められる前に、既存の各参加国との2国間交渉を行い、各国(及びそれぞれの有権者)を満足させ、次に9ヵ国全ての合意による支持を確保しなければならない。これはWTO加盟国のプロセスとよく似ている。そこでは実質的な交渉はなく、クラブの会員になるには既存の協定の条件を上回る義務の履行をあらかじめ約束することを要求される。

日本に対する要求のリストが積み上げられる中で、野田の官僚たちは日本が約束した事項に関する米国の文書の記載を値引き(削除)しようとした。オバマは野田が「すべての商品およびサービスを交渉のテーブルに乗せることに同意した」と述べた。日本の官僚たちは「(野田は)参加条件を知るために協議に入ると言っただけだ」といっている。米国は公式の発表文の訂正を拒否した。一部の人達は、日本が濃くなう向けと外国向けに異なる説明をしていると推測している。いずれにせよ、これは「協議」の不運なスタートであり、この先の見通しのない、だらだらとしたプロセスを暗示している。

「協議」のプロセスの詳細は、一連のメディア向けのブリーフィングやメディアスクラム、ギャグルを通じて明らかにされている。オバマ政権は、正式にそのような手続きが求められているわけではないが、企業ロビイストが支配する議会とのあいだでの90日間の協議プロセスと、「利害関係者」(大企業と、おそらくは大手の労働組合を意味する暗号である)との集中的な協議を実施する。

あらかじめの約束のための「買い物リスト」は既に膨大である―頭金までは要求されていないが、議員たちは既に農業、保険、医薬品と医療機器に「日本における米国企業に対する市場アクセス障壁」という予約札を付けている。一部の議員は、日本の自動車市場を米国からの輸出品に解放することを日本のTPP傘下の前提条件とすることを要求してきている。大手自動車メーカーを代表する全米自動車政策評議会は、出来上がった協定に日本を後から加盟させるほうが良いと考えている。牛肉産業は米国産牛肉の市場アクセスの制限の撤廃を要求している。米国で営業しているある米国の保険会社が私に明言したところによると「日本ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命保険」がWTOの基本的な義務に違反している疑いがあるときに、日本がWTO+と言われるTPP交渉に参加することは考えられない。

要求は企業からだけではない。全米鉄鋼労組は次のような声明を発表している。「日本が参加する協定は、関税の引き下げだけでなく、実質的な市場アクセスと非関税障壁廃止を通じて真の相互主義が実現されることを保証する条項を含まなければならない。将来TPPに参加する他の国は、現状維持的なアプローチがもはや許容されないことを理解しなければならない」皮肉なことに、日本の保守的な労働組合である連合はTPPを支持しており、TPPが日本に製造業の雇用をもたらすと考えている。公共セクターを主要な基盤とする全労連はTPPに強く反対している。

日本に要求を迫っている交渉相手国は米国だけではない。ニュージーランドとオーストラリアは一貫して、日本は彼らが設定するTPPの高い基準を満たさなければならないと主張してきた。2010年に横浜でAPEC首脳会談が開催された際に、ニュージーランドのジョン・ケイ首相は、日本はニュージーランドが設定した条件でのみ交渉に参加できると述べた。ウィキリークスの機密電文は、ニュージーランドの主席交渉担当官が2010年12月に、「TPPの当初の加盟国がTPPの“黄金の基準”に合意できるなら、それは日本、韓国、その他の諸国への締め付けに成り、そうなった時こそ長期的な“真の報酬”が得られる」と語ったことを伝えている。彼らは米国が、自らが砂糖と酪農製品の除外を要求していることをちゃっかりと正当化するために裏取引をしたり、交換条件を出すことはないという保障を迫るだろう。

日本は実際の交渉ではどういう役割を果たすのだろうか?もしホノルル会合での正式文書に示された通りに2012年半ばという目標が達成されるならば、交渉の全過程において日本の参加は「並行的協議」に限定されることになる。米国の国家安全保障担当大統領補佐官代理(国際経済問題)のマイク・フロマンによると、「TPP参加国は引き続き協定の詳細を具体化する作業を続け、その目標に向けて精力的に努力すると同時に、それと並行して日本などの、TPPに参加することに関心を表明している諸国との協議を開始し、それらの諸国がTPPの野心的な目標に適合する積極性を示す用意があるかどうかを確認し、未解決の通商上の問題―たとえば、関税の問題を含む、農業、サービス、製造セクターの問題―に対処する。したがって我々はこれらを並行的な協議に沿って進め、両側から進展を図る」

言い換えれば、日本は協定がスケジュールに関する協議を除いて基本的に完成するまで参加できない。彼らは交渉のテーブルに着くために重要な譲歩を約束した上で、自分たちが発言の機会を与えられないまま出来上がった協定を受け取るだけである。「並行的協議」は、より保護主義的なアプローチを採用している国が交渉プロセスを遅らせたり複雑化させるリスクを回避する賢い防衛的な動きである。フロマンは「既存の参加国は新規に参加を希望する国が既に進んでいる交渉を遅らせたり、薄めたりするような提案を行うことを望まない」と明言している。ティム・グローサーも、同様の露骨さで、次のように語っている。「並行的協議の対象国は、当面、既存の9ヵ国がこれまでの成果を打ち固めている間、交渉にはなんの役割も果たさないだろう」

日本はなぜ、このようなプロセスに執心するのだろうか?強い商業的関心を持つ人たちは、TPPが米国市場へのアクセスを拡大すると考えている。米国が重要分野を日本に開放することについては懐疑的な見方もあるにもかかわらずである。同様に強力な理由付けは、外部的な強制力を伴うTPPが、国内で自由化及び規制緩和を強力に推進するための裏口を提供できるというものである。オーストラリアと日本のFTA交渉が発進・停止を繰り返しているという経験から考えれば、より広範囲にわたるTPPを日本の国民に売り込むには長い複雑なプロセスが必要であり、それは失敗する可能性が大きい。

~~~~~~~~~(以下続く)

以上、書き写し


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