Sekilala&Zowie

No one is free, even the birds are chained to the sky.


【地方紙】大飯原発再稼働に反対、もしくは懸念を表明する地方紙の社説と、読売、産経、日経の非国民社説の違いを読み比べ。

【地方紙】大飯原発再稼働に反対、もしくは懸念を表明する地方紙の社説と、
読売、産経、日経の非国民社説の違いを読み比べ。
(集めるのに多少骨折れた)
地方紙の中にも色の違いはある。そこにも注目。
市民に寄り添う地方紙なら、それこそ市民目線で。逆に業界に遠慮して曖昧表現するなら、腰引けたまま振っても当たらないボクサーと同じと揶揄してもいいかもしれない。そして地方紙を応援するような叱咤激励。他方、中央5大紙、特に米国がご主人様、原発推進の読売、産経、日経は解約をオススメする。
以下、転載。


原発再稼働基準 安全神話の盲信繰り返すな
琉球新報2012年4月8日 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-189714-storytopic-11.html
 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚は6日、原発の再稼働に関する新たな安全基準を正式決定した。
 東京電力福島第1原発事故と同等の地震、津波が起きても重大事故に至らないことを前提とするが、防潮堤や免震棟建設など中長期的な対策は先送りされており、安全性の確保には程遠い。原発再稼働ありきで、あまりに拙速で場当たり的な決定だ。
 新基準は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働するために必要な手続きとして定められたが、首相の指示から、わずか3日足らずで取りまとめられた。安全基準づくりを担うはずの原子力規制庁の発足が遅れているため、案を作成したのは原発事故対応で国民の信頼を損ねた経産省原子力安全・保安院だ。「原子力安全神話」を振りまいた保安院が急にこしらえた新基準を果たしてどれだけの国民が信用しようか。
 そもそも原子炉の格納容器の損傷状況や地震による影響など、原発事故の原因究明は道半ばであり、放射能汚染の処理や被害者の救済も一向に進んでいない。
 しかも原発の安全対策は地震や津波だけに限らない。火山噴火などに加え、航空機墜落や大規模テロなどを想定した抜本的な危機管理対策も不可欠だ。それこそ放射能の被害は全国の広い範囲に及ぶ。
 枝野氏は再稼働させた原発で重大事故が起きた場合、「政治的責任は4人が負う」と述べた。日本の社会全体を見据えた総合的な安全対策は置き去りのままであり、無責任極まりない発言といえる。
 同様に藤村修官房長官は停止中の原発の再稼働に関し、地元同意に法的義務はないとの認識を強調したが、地元の理解や協力なくして再稼働することは事実上不可能であり、地元軽視も甚だしい。
 政府は地元の範囲をあいまいにしたままだが、京都府や滋賀県など大飯原発の近隣自治体も地元に含めるよう要求している。関西電力筆頭株主の大阪市の橋下徹市長も政府の拙速な対応に批判を強めている。
 首相や関係閣僚は、新基準を踏まえた関電の実施計画(工程表)の提出などを受け、今週中にも再稼働を認める方針だが、事を急げば、見切り発車の批判は免れない。泥縄的対応を今なお繰り返していないか自省する必要がある。「安全神話」の盲信で招いた原発事故の教訓を最大限生かしてほしい。

原発再稼働の新基準 見切り発車は到底許されない
愛媛新聞社説2012年04月08日(日)http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201204089222.html
 政府は、停止している原発の再稼働を判断する新しい安全基準を決めた。東京電力福島第1原発を襲った規模の地震や津波が起きても大事故に至らないよう、全ての電源を喪失した際の対策など三つの基準が柱とされる。 
 だが、実態は野田佳彦首相の指示で原子力安全・保安院が2日でまとめた即席基準。政府が既に指示した電源車配備などの応急措置や、保安院が3月末に公表した30項目の対策などを整理し直した内容だ。年月を要する対策工事は計画があればよしとする、あくまで暫定的な基準である。 
 福島原発があれほどの大事故を起こし、現に地震列島に原発が林立しているのに、巨大リスクと真剣に向き合った対応とは思えない。この新基準は再稼働の必要十分条件には到底なりえず、見切り発車は許されない。 
 福島事故は原因の全容が判明していない。当然、新基準への反映もない。今、まさに国会と政府の二つの事故調査委員会が原因解明を進めている。少なくとも、6月以降に出る結果を待つべきだ。 
 調査では、地震の揺れが原発の機器や配管類にどう影響したか注目されている。津波ではなく、地震の揺れが原因で破壊され炉心溶融に至ったとすれば、耐震設計審査指針の見直しは必至。全原発の耐震性に影響し、再稼働どころではなくなる可能性もある。 
 福島事故を教訓に、半径30キロ圏に拡大した原発防災重点区域の避難計画作りなどもこれからだ。このまま再稼働して事故が起きたら、福島と同じ混乱と被ばくを繰り返すことになりかねない。 
 それなのに、藤村修官房長官は再稼働に関し、地元自治体の同意は法的に不要との認識を示した。地元自治体と電力会社が安全協定を結び、曲がりなりにも積み上げてきた関係は一体何だったのか。 
 本県では7市町13万人が伊方原発30キロ圏に入り、危機感を強めている。伊方町の山下和彦町長は「コメントする立場にない」と言及を避けたが、八幡浜市の大城一郎市長は「国、県、四電、地元の合意が必要であることは共通認識だ」と疑問を投げかける。 
 福島事故の後、国任せの思考停止はやめにしたい。生命を守るため、自治体、住民は声を上げなくてはならない。 
 再稼働を急ぐ背景には電力不足懸念があるのだろう。しかし、昨夏、今冬と乗り切れており、現段階で供給不安の根拠は薄弱。枝野幸男経産相は、電力各社の今夏の供給力を第三者により検証する方針というが、再稼働ありきでない透明な検証が欠かせない。 
 福島の事故は「原発に絶対安全はない」ということを教えてくれた。どのような新基準ができようとも、そのことを忘れてはならない。

原発再稼働新基準 これで不安拭えない
秋田魁新報(2012/04/08 付)http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20120408az
 これで安全性が確保できるのだろうか。政府が決めた原発の再稼働に関する新たな安全基準には、疑問を禁じ得ない。
 新基準は福島原発事故の直後に政府が指示した緊急安全対策などを焼き直しただけで、時間がかかる対策については電力会社が実施計画で達成時期などを明示すればよいとしている。設備や工事の完成は条件になっていないのだ。深刻な放射線被害をもたらしている福島原発事故の教訓が、新基準に十分生かされているとは思えない。
 確かに電力の安定供給は重要だ。しかし、原発の安全神話が崩壊した現実を鑑みれば、万一への備えがその場しのぎであってはならないはずだ。中長期的な観点からも安全性を担保できるような基準でなければ、原発再稼働に対する国民の理解を得るのは難しいことを政府は銘記すべきである。
 新基準は、全電源喪失に陥った際も早期に回復できるように電源、注水設備の増強などを第一に掲げたほか、炉心と使用済み燃料プールの冷却を継続できる措置も要請。実施計画では、経済産業省原子力安全・保安院がまとめた30項目の実施時期などを電力会社に明確にさせる―としている。
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を念頭に置いて策定されものだが、野田佳彦首相の指示から3日足らずでまとめられた経緯から見ても急ごしらえの印象は否めない。しかも、新基準は安全評価(ストレステスト)の1次評価が妥当だと判断された全ての原発に適用されるという。
 唐突な上に意思決定のプロセスすらよく分からない中で新基準を示されても、原発が立地する地元や周辺自治体には戸惑いや不安が広がるばかりではないか。そもそも新基準は、政府が既に指示した緊急安全対策や保安院が3月末に公表した30項目の対策などを整理し直したにすぎず、新しい安全対策はほとんど盛り込まれていない。
 特に問題なのは、30項目のうち中長期的な対策は実施計画の策定を義務付けるのにとどまった点だ。福島原発事故では、作業員が事故対応に従事する上で頑丈な免震重要棟が大きな役割を担った。しかし、大飯原発に免震棟はなく、関電が2016年度に建設を予定しているだけだ。防潮堤のかさ上げも14年3月の完成を目指すという。
 こうした重要な設備が未完成でも、実施計画に盛り込めばよいというのが新基準である。しかも実施計画の妥当性を判断する指標は示されておらず、原発の周辺自治体などから「事故の影響を小さくする対策が後回しになっている」という批判の声が上がるのも当然だろう。
 このままでは安全対策に不安を残したまま、電力不足を盾になし崩し的に原発再稼働へと進みかねない。政府には、安全性向上と国民の理解を前提とした慎重な判断を強く求めたい。
大飯再稼働 即席で国民を守れるか
    東京新聞2012年4月7日 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012040702000128.html
 大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働条件の新安全基準は、わずか二日で作った「即席」だ。暫定とはいえ福島原発事故後の緊急対策の域を出ない。国民の安全を守れるとは到底思えない。
 福島第一原発事故拡大の原因者ともいえる経済産業省原子力安全・保安院が、いくらたたき台があるといっても、たった二日で作ってしまう。それを見て「安心しろ」という方に無理がある。
 これが野田佳彦首相のいう「納得いくまで徹底的に議論した結果」とすれば、首相と三閣僚は政治家としての資質さえ、疑われても仕方がない。国民の安全最優先が、政治家の務めである。それを軽視するにもほどがある。
 なぜ、こうまでして再稼働を急ぐのか。
 五月五日に北海道電力泊原発3号機が定期検査に入り、国内五十四基の原発が初めて全停止する。「原発なき社会」の実現を、よほど避けたい、その可能性を見せたくないとしか思えない。
 もし、これほど急を要する事態が起きているのなら、その理由をまず国民に、わかりやすく説明するのが先だ。
 枝野幸男経産相は「(大飯以外は)電力需給も再稼働の判断材料にする」という。なぜ大飯は例外なのか。
 新基準といっても、ほとんど通り一遍の電源確保と緊急冷却対策程度である。大けがにばんそうこうをはり付けたぐらいの応急措置で、再稼働の実績づくりをひたすら急ぐ。
 費用と時間のかかる大規模な対策は、何かと理由を付けて先送りした。事故対応の拠点になる免震施設の完成は四年先。これがなければ福島原発事故の被害はさらに拡大したといわれる重要な施設である。原子力安全委も、必要性を強く訴えていたではないか。
 爆発を避けるため原子炉格納容器の圧力を下げる排気(ベント)時のフィルター設置も、除外してしまった。防潮堤のかさ上げが不十分、非常時のアクセス道路に問題があるという重大な指摘も考慮されていない。断層の連動による地震規模の引き上げが進む。敦賀半島が四年先まで大地震に襲われないという保証はない。
 繰り返す。少なくとも国会事故調の提言が出て独立の規制機関が動きだすまでは、原発の再稼働を判断するべきではない。さもないと、政治に対する国民の信頼は本当に地に落ちる。

原発安全基準 露骨な「再稼働ありき」
北海道新聞(4月7日)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/363256.html
 野田佳彦首相は、定期検査で停止した原発の再稼働の可否を判断する新たな安全基準を決めた。
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向け、首相が「暫定的」な基準づくりを指示してから出来上がるまで、わずか2日間である。
 その中身も、福島第1原発の事故直後に電力各社が緊急安全対策として実施済みの項目が並び、免震棟の建設など時間のかかる対策は今後の課題とされた。
 これでは、用意された答案に沿って試験問題を作成したようなものだ。「再稼働ありき」の意図が露骨と言わざるを得ない。
 基準からは、いつの間にか「暫定的」という言葉が外された。大飯以外の原発の再稼働の判断にも適用されることになる。
 しかも基準をまとめたのは、死に体の経済産業省原子力安全・保安院だ。4月から安全対策を担うはずだった原子力規制庁は、与野党の対立で発足のめどすら立たない。
 このままでは、不十分な暫定的基準がなし崩しに正式な基準になってしまう恐れがある。
 「地元」の同意もないがしろにされようとしている。
 藤村修官房長官は、地元の同意は法律で義務づけられていないため、再稼働の前提条件にならないとの認識を示した。法的にはそうだろう。
 しかし、政府はこれまで同意が前提と繰り返し表明しており、これを翻したことになる。
 大飯原発の再稼働をめぐっては、隣接する滋賀県や京都府などが反発している。
 原発事故の被害は広域に及ぶ。だからこそ政府は、原発の防災重点区域を10キロ圏から30キロ圏に拡大する方針を決めたはずだ。枝野幸男経産相も日本全国が地元と述べた。
 原発の運営には立地地域との信頼関係が欠かせない。
 福島の事故の教訓から「地元」の範囲を広げる議論をすべき時に、再稼働強行の姿勢をちらつかせるとしたら、誠意を疑われる。
 安全の新基準は本来、福島の事故原因の徹底解明の後、新たな規制体制の下で策定されるのが筋だ。
 事故の検証の途中で、原子力規制庁の発足も見通せない現状では、時間がかかるだろう。政府が今夏の電力需給を懸念するのも分かる。
 だが、電力不足を問題にするなら、電力各社が信頼できる需給見通しを公表するのが先決だ。
 廃止が決まった保安院が即席で作った基準がまかり通るようでは、福島の事故の前と変わらない。拙速な手続きで再稼働を進めても、国民の理解を得られるはずがない。

「再稼働ありき」拭えず/原発の新安全基準
東奥日報2012年4月6日http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2012/sha20120406.html
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働をめぐり野田佳彦首相と関係3閣僚が2回目の協議を行い、再稼働の是非を判断する材料として新たに策定した安全性の判断基準をおおむね了承した。
 野田首相らが6日にも新基準を決定し最終調整する。大飯原発が基準に適合しているか原子力安全・保安院や関西電力の確認を踏まえ、8日にも枝野幸男経済産業相が福井県を訪れ再稼働へ協力を要請する。
 新基準は(1)全電源喪失事故の進展防止策(2)福島第1原発を襲った地震や津波が来ても同様の事故にならないとの国の確認(3)保安院がまとめた30項目の安全対策の実施計画-の三つ。
 福井県などは「暫定基準」の提示を早くから求めていたが、野田首相が作成を指示したのは3日だ。いかにも急ごしらえの間に合わせだ。技術的な安全基準にも関わらず、法的根拠のないまま見切り発車することに信頼を得られるのか。
 新基準は実施済みの緊急対策などを掲げたにすぎず、実質的に新たな作業は免震棟建設など時間のかかる対策について電力会社の意思を確認するだけだ。「再稼働ありき」の感が拭えない。
 国内54基の原発のうち現在稼働しているのは北海道電力泊原発3号機だけで、これも5月5日に定期検査に入り全原発が停止する。
 再稼働を急ぐ理由は政府は夏場の電力供給不足解消のようだが、代替電源や節電など需要対策で乗り切れるという指摘もある。根拠の薄い電力需給より重視すべきは安全性の担保だ。
 福島の事故を受けて日本の原発は根底から安全性の強化が求められている。だが政府や国会の事故検証、原因究明も済んでいない。
 当初、政府は再稼働の条件とした安全評価(ストレステスト)1次評価で安全確認を済ませようとした。だが、技術的な最終関門である原子力安全委員会の委員長が「1次評価だけでは不十分」とし、再稼働の説得材料にならなくなった。
 そのため唐突に浮上したのが新たな安全基準だ。
 政府は新基準を原発事故の教訓を踏まえた新たな安全規制を前倒ししたものと位置付けた。他の原発の再稼働を判断する際にも適用するという。
 しかし、再稼働へ向けて当面の作業をするのが原発事故を防げなかった保安院では信頼性を欠く。
 保安院などを解体し新たな規制行政を担う原子力規制庁は、原発の規制強化策なども含む設置関連法案の国会審議が進まないため、発足の見通しが立たない。再稼働をめぐる環境が整っているとはいえない。
 一方、再稼働について5日、藤村修官房長官が地元の同意は前提条件にならないという認識を示した。同意を必要としてきた姿勢を修正した形だ。
 確かに地元同意に法的根拠はない。ただ、実際に再稼働するのは電力会社であり、立地自治体と結んでいる「安全協定」により、地元の意向は無視できない。藤村官房長官の見解は混乱をもたらすだけだ。

大飯原発再稼働/安全策はまだまだ足りない
河北新報2012年04月07日土曜日http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/04/20120407s01.htm
 これほど低レベルの「安全基準」によって政府が再稼働を認めようとは、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の地元でなくても、あきれ果てた人が多いのではないか。
 そこには福島第1原発事故の教訓を真に生かそうという意識が全く抜け落ちている。本当になすべきは原子力施設の安全性を突き詰め、これからの原子力やエネルギーについて議論することだろう。
 肝心の安全性確認という点でも不十分であり、場当たり的な対症療法だけで再稼働を容認する姿勢は論外だ。
 再稼働するかどうかの対象になっているのは大飯原発の3、4号機。いずれも出力118万キロワットの加圧水型で、運転開始は1990年代と比較的新しい。3号機は昨年3月、4号機は昨年7月にそれぞれ定期検査に入り、運転が停止されている。
 再稼働に当たって最も重視しなければならないのは、もちろん安全性になる。
 政府が5日に決めた再稼働の安全基準は3本柱から成っている。「基準1」は、地震や津波に見舞われて全電源喪失に陥っても、事故の悪化を防止できるような電源、冷却などの設備。「基準2」は原子炉内の核燃料や貯蔵プールの使用済み核燃料を冷却し、メルトダウン(炉心溶融)などの損傷を防止できる対策。
 「基準3」はストレステストで求められた対策などの実施だが、「不断に実施していく姿勢が明確化」していればいいというのだから無責任だ。これでは基準と呼べない。
 福島第1原発事故で発電所の対策本部は「免震重要棟」という独立した建物の中に設けられたが、大飯原発にはない。対策本部は中央制御室の会議室を想定しているが、原子炉建屋の隣の建物。重大事故の際に近づけるのかどうかさえ怪しい。
 それでもいずれ免震棟を建設する計画があれば、再稼働に支障はないというのだろうか。
 政府の基準は一見、福島第1原発事故を防ぐ対策に映るが、当たり前の応急策ばかりだ。問われているのは「安全性」の実質であり、電源車や防潮堤を整備すれば済むことではない。
 政府の原発事故調査・検証委員会は中間報告で、かなりの分量を割いて1号機の「非常用復水器」の問題に言及している。唯一残った冷却手段だったが、津波後はほとんど作動しなかったとみられる。
 ところが、それに気づかずに冷却していると誤認し、外部からの注水が遅れる結果になった。非常用復水器についてきちんと理解していなかったことが理由であり、「原子力事業者として極めて不適切」と中間報告は批判している。
 対応に当たった人間の問題も含めて、福島第1原発事故の原因は未解明だ。避難や放射能汚染の問題点もまだ整理されていない。事故の教訓をくみ取らず、多くの人の生命や財産を守るという視点が欠落したままの再稼働などあり得ない。

原発再稼働協議 安全と大見え切れるのか
新潟日報2012年4月7日http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/20120407.html
 野田佳彦首相らが6日、原発の再稼働の可否を判断する新安全基準を決定し、確実な達成を関西電力などに指示した。近く再稼働を最終判断し、枝野幸男経済産業相が福井県に出向く。
 あれよあれよという間の「政治判断」である。国民はとんだ茶番劇を見せられている気分ではなかろうか。
 関電大飯原発3、4号機を何が何でも再稼働する。原発稼働ゼロの事態を何としてでも回避する。そうしたストーリーに沿って、それぞれが「あうんの呼吸」で役回りを演じている。
 出演者は首相と3閣僚、本来なら3月で引退していたはずの経済産業省原子力安全・保安院、そして自身では判断できぬ福井県である。
 安全委員会は今回、役を降ろされている。安全評価(ストレステスト)の1次評価だけでは安全性が担保できぬと主張したためだろう。
 既成事実を積み上げるかのような一連の経過に問題点は多い。最たるものが新安全基準の中身だ。「再稼働ありき」の急場しのぎにすぎない。
 大飯原発の再稼働に関する首相と関係閣僚の初会合が開かれたのが3日である。その場で「暫定的な安全基準」を作るよう保安院に指示が出された。
 わずか2日後、新基準が示され、了承されるという早業である。それもそのはずだ。新味がなく、難題は先送りされているからである。
 新基準は(1)全電源喪失時の事態悪化防止策(2)国が「福島事故並みの地震・津波が襲っても燃料損傷に至らない」と確認している(3)事業者が今後取り組むべき課題-の3本柱から成る。
 (1)と(2)は既にほぼ対応済みで、残る(3)も計画を示しておけば、それで足りるというのである。
 経産省幹部が「済んでいる対策を新たに編集し直した基準」と付け焼き刃を認めている。防潮堤建設など容易ではない対策は先送りされた。
 これをもって再稼働にゴーサインが出れば、世間の常識に照らせば「見切り発車」以外の何物でもない。
 加えて問題なのが「暫定的」という用語が外され、正式な基準に格上げされたことだ。政府は、他の原発の再稼働判断にも適用するとしている。
 保安院は新基準について「法律に基づく省令とかではない。4人の大臣の判断」と強調、あたかも政治家に責任を転嫁するような物言いである。
 さらに「なし崩し」にされようとしている問題がある。再稼働の「地元合意」と「地元理解」である。
 藤村修官房長官は5日、会見で「(再稼働は)法的に地元同意が義務付けられているわけではない」と述べ、これまでの姿勢を転換した。地元理解に関しても「理解を得られたかは政府が判断する」と語った。
 これに対し、大飯原発の「地元」を主張する京都府、滋賀県の知事らは反発、東京電力柏崎刈羽原発を抱える本県の泉田裕彦知事は「地元同意なしの稼働は絶対させない」と断言した。当然といえよう。
 政府は再稼働に突っ走ってはならない。福島原発事故の検証も経ず、世界基準とされる安全評価の2次評価も行われないまま、信頼を失った「政治」が判断を下し、国民に向かって「安全だ」と大見えを切れるはずがない。
 政府は、枝野経産相が当初強調していた「電力の安定供給より安全が優先」の原点に立ち返るべきだ。

原発新基準 密室で即席の無責任
信濃毎日新聞04月07日(土)http://www.shinmai.co.jp/news/20120407/KT120406ETI090009000.html
 野田佳彦首相と関係3閣僚が、原発再稼働の可否を判断するための「新基準」を決めた。どのような議論を経て決定に至ったのか。肝心な点が分からないまま、急いで結論だけを見せられた印象が強い。
 福島第1原発事故を踏まえ、安全性をあらためて問い直さなければならないときである。野田首相は新基準を白紙に戻し、国民が納得できる物差しを一から作り直す必要がある。
 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題で、首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚が協議し、新基準を正式決定した。
 新基準は(1)地震・津波による全電源喪失事故の悪化を防ぐ対策が実施済み(2)大規模な地震や津波が来ても、燃料損傷に至らないと国が確認(3)原子力安全・保安院がまとめた30項目の安全対策などを実施する計画を電力会社が立てている―の三つである。
 再稼働の可否を判断する重要な物差しとなるものだが、内容や決め方に疑問がある。
 第一に、(3)には免震棟の建設など重要な対策が含まれるが、電力会社が計画を明示すればよいとしている点である。
 関西電力は大飯原発の免震棟に着工していないうえ、大事故が起きたときに格納容器の圧力を下げるための「ベント」の設置もまだだ。新基準だと、これらが後回しになっても「着実な実施計画」が明らかにされていれば、再稼働が可能になる。これでは国民の理解を得るのは難しい。
 第二の疑問は、新基準を決めた手続きである。
 新基準の原案は、首相の指示で保安院が示した。今年3月にまとめた30項目の安全対策を土台にしている。
 原発事故を踏まえているといっても、信頼を失った保安院が作ったものだ。しかも、首相が関係閣僚との協議で新基準づくりを指示してまもなく原案ができあがった。それを首相と関係閣僚が協議し、決定に至っている。
 原発の再稼働は、国民の生命・財産にかかわる重大な問題だ。その判断基準を、短期間に、しかも“密室”で決めてしまう政治手法に違和感を覚える。これでは再稼働ありきの即席基準と批判されても仕方ないだろう。
 首相や枝野経産相らの会見や国会答弁からは、国民の安全・安心を担う自覚や哲学が伝わってこない。電力不足を懸念するあまり再稼働を急いでいるとすれば、将来が危ぶまれる。

大飯原発再稼働 安易な突破口にするな
中国新聞2012年4月5日http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201204050130.html
 定期検査に入っていた関西電力大飯原発3、4号機を再稼働させようと、政府が動きを加速させている。
 野田佳彦首相はおととい、関係閣僚と再稼働に向けた初の会合を開き、福島第1原発事故の教訓を踏まえた暫定的な安全基準をつくるよう指示した。
 地元の福井県などが新たな基準を求めたのに応じた形だ。早くも週内に経済産業省原子力安全・保安院が新基準の原案を示し、福井県に再稼働への協力を要請するという。「前のめり」との批判は免れない。
 福島第1原発事故の後、定期検査を経て再び稼働した原子炉はまだない。このままでは1カ月後にも国内54基すべてがストップする。その前に何としても再稼働に目星を付けたい。他の原発を動かす突破口にもしたい―。それが政府の本音だろう。
 関電は発電電力量に占める原発の割合が2010年で5割。電力各社の間でも最高レベルだ。原発停止の影響は特に大きく、再稼働を目指す動機となっている。原子炉の型が福島第1とは違うことも、再稼働をしても問題ないとの判断を引き出したとみられる。
 政府は、原子力安全委員会が3、4号機について「安全評価(ストレステスト)の1次評価は妥当」としたのを受けて本格的に動きだした。
 ただ1次評価は、津波や地震に対する原子炉の安全上の余裕を机上で点検したもの。機器や配管が壊れるまで負荷を掛ける2次評価は行っていない。国は1次評価を再稼働の条件としているが、原子力安全委の班目春樹委員長は「1次評価だけでは安全性を評価するには不十分」と述べている。
 福島第1原発事故の国の調査報告書がまだ完成していない段階でもある。原子力規制庁の発足は、大幅に遅れている。再稼働に向けて同意を取り付ける範囲や、安全監視の体制もはっきりしない。手続きの順番が違うのではないか、との印象はぬぐえない。
 隣の滋賀県や京都府は、現時点での再稼働に対する反発を強めている。滋賀県は独自のシミュレーションを実施し、ひとたび事故が起きれば県内に放射性物質が拡散するとの結果を出した。再稼働の同意を求める自治体に含めるべきだと主張する。
 福島第1原発事故は、県境を越えて被害を広げた。枝野幸男経産相が、滋賀や京都にも理解を求めるとした上で、再稼働に同意が必要な地元として「ある意味で日本全国」と国会答弁したのも当然であろう。
 仮に安全対策を十分示したとしても、国の原子力政策の将来像を示さないままでは地元や世論の理解が得にくいことにも留意したい。
 少なくとも短期的には再稼働がやむを得ないというならば、脱原発依存に向けた具体的なビジョンも同時に示すべきである。そうでなければ世論は、再稼働をいったん許すことが、原発の将来的な固定化につながると考えるだろう。
 もちろん、夏場の電力需給が切迫する問題は無視できない。ただ、需給見通しをさらに精査するとともに、電力使用量のピークを分散させる工夫などを国民に示し、協力を求めるのが再稼働よりも先ではなかろうか。

原発再稼働新基準  これで理解得られるのか  
徳島新聞2012年4月7日http://www.topics.or.jp/editorial/news/2012/04/news_13337605204.html
 福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐり、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚が、可否を判断する新たな安全基準を決定した。
 新基準は、安全評価(ストレステスト)だけでは不十分とする福井県や、おおい町が東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえて明示するよう政府に求めていたもので、地元の意向を尊重した形だ。
 しかし、内容は短期的に実施できる対策が中心で、より安全性を高める中長期的な対策を先送りするものである。これでは地元をはじめ国民の理解は得られないだろう。
 新基準は3部で構成している。基準1は、地震、津波による全電源喪失事故が悪化するのを防ぐ対策が実施済みであること。基準2は、福島第1原発を襲ったような地震、津波が来ても燃料損傷に至らないと国が確認していることだ。
 そして基準3は、経産省原子力安全・保安院が福島事故を教訓にまとめた30項目の安全対策などを実施する計画を電力会社が立てていることである。
 基準1は発電所内の電源設備や冷却・注水設備の強化などで、大飯原発では福島事故後に大部分が実施されているとみられる。基準2も、ストレステストの1次評価で実現できるとの結論が出されており、形式上は国が確認していると言えよう。
 問題は基準3だ。30項目の安全対策の中には、事故対応の拠点となる免震事務棟の設置や防潮堤のかさ上げなど、実現に時間がかかる中長期的なものがある。
 免震棟は福島事故で重要な役割を果たしたが、大飯原発での設置は2015年度になる見通しだ。3メートルかさ上げする防潮堤の完成は13年度中という。事故時に格納容器内の圧力を下げるため内部の蒸気を排出する「ベント」設備の新設時期も未定であり、外部電源の強化にも大規模な工事が必要になる。
 野田首相らは、こうした中長期的な対策の工程表を関電に提出させるというが、時間のかかるものは後回しでいいというのでは安心にはつながらない。
 妥当とされたストレステストの1次評価にも疑問が残る。関電は最大の揺れの強さを700ガル(加速度の単位)と想定して耐震安全性を評価したが、保安院は、周辺の三つの活断層が連動した場合の760ガルで評価するよう指示した。結果によっては、重要機器や構造物の補強工事がさらに必要になる可能性がある。
 1次評価は巨大な地震、津波に原発がどれだけ耐えられるかをコンピューターで解析するものだが、炉心が損傷した後の対応を詳細に分析する2次評価は、提出のめどすら立っていない。
 こうした状況で再稼働を認めるのは拙速だろう。もっと慎重に安全性を見極める必要があるし、やらなければならない対策は少なくない。
 今夏の電力需給の逼(ひっ)迫(ぱく)が経済活動に及ぼす影響が心配されるが、経済と原発の安全性とは別の問題だ。
 政府は再稼働を見切り発車させるのではなく、夏場のピーク時の電力使用を分散させる方策や、電力供給量の確保策に知恵を絞ることに力を入れるべきである。

【原発の新基準】安全性は確保されるのか
高知新聞2012年04月08日08時02分http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=287222&nwIW=1&nwVt=knd
 政府が原発の再稼働の可否を判断するための新たな安全基準を決めた。 
 東日本大震災で福島第1原発を襲った規模の地震や津波が発生しても、重大事故が起きないような対策をとることを求めている。 
 経済産業省原子力安全・保安院は関西電力大飯原発3、4号機が基準を満たしているかどうかの検証に入った。基準に従い関電は防潮堤のかさ上げなど中長期的な安全対策の実施計画(工程表)を間もなく提出する見通しだ。 
 保安院が基準案の提示に費やしたのはわずか2日間だ。原発事故の検証もまだ終わっていない。絶対安全と言える対策などあり得ないのに、今再稼働させて安全性は確保できるのか。 
 安全基準ができたから動かすというのでは住民の理解は得られまい。政府は拙速を慎み、再稼働を必要とする根拠を住民に示すべきだ。 
 新基準は、政府が再稼働の条件としている安全評価(ストレステスト)の1次評価が妥当だと判断された原発すべてに適用される。大飯原発を抱える福井県などが原発事故の教訓を踏まえた新たな安全基準を国に求めていた。 
 新基準からまず受けるのは「付け焼き刃」「合格ありき」の印象だ。 
 3本柱からなる基準のうち、電源喪失対策は、原発事故直後の緊急安全対策としてほぼ対応は終わっている。炉心溶融に至らないかどうかは、ストレステストの1次評価の「合格」とほぼ同義だ。大飯原発の場合、1次評価で確認されている。 
 残るのは、保安院が事故を教訓に3月にまとめた30項目の安全対策についての実施計画ぐらいだ。ハード対策など時間がかかるものは計画が明らかになっていればいいことになっている。事業者には随分好都合ではないか。 
 そもそも基準案をつくったのがおざなりな審査ぶりで信頼を失った保安院では「安全」の説得力に乏しい。この欄で繰り返し主張しているように、原子力規制庁の早期発足へ、関連法案の審議を加速するべきだ。 
 大飯原発が再稼働しなければ5月上旬に国内で稼働中の原発はゼロになる。政府はそれまでに再稼働にめどを付けたいという思惑があるのだろう。だが、今後夏の電力需給の見通しを精査していく中で、前提が変わる可能性もある。再稼働の条件が整っていない中での前のめりな姿勢は、原発周辺自治体の不信感を強めるだけだ。

再稼働新基準 誰がどう責任を取るのか
西日本新聞2012年4月7日 10:51 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/295961
 定期検査で運転を停止した原子力発電所の運転再開について、政府は安全性を判断する新たな基準を決定した。
 東京電力福島第1原発事故を教訓に、東日本大震災級の地震や大津波に襲われても同様の深刻な事故を起こさない。その備えができているかが要になる。
 その上で、安全性・信頼性の向上のため原子力事業者が不断の努力を怠らない。その姿勢が明確なことも条件だ。
 考え方は分かるが、なぜ、これだけで原発再稼働の可否の判定が可能か。丁寧な説明がないと国民は納得しづらい。
 もっと言えば、政府がより具体的な判断基準を示したとしても、再稼働で国民的な合意は難しかろう。原発の安全性は揺らぎ、政府や電力会社に対する国民の信頼はいまだに回復していないからだ。
 「安全です」「大丈夫です」と言っても、口約束だけなら国民は信用しない。
 では、どうするか。何かあったとき、大丈夫ではなかったとき、誰がどう責任を取るのか、はっきりさせることだ。
 福島第1原発事故では、事故を招いた責任が誰にあるのか、まだ曖昧なのだ。
 それは東電だろうとの声が出そうだ。だが、東電の説明はちょっと違う。
 東電としては地震、津波対策も含めて原発の安全確保を最優先に考え、国と一体で取り組んできた。だが、想定を超えた災害で大事故になった。反省する点もあるが、当社の過失よりも天災の要素が強い-。要約するとこんな感じか。
 世間的には通りにくい考え方であり、国も基本は事業者の責任との立場だ。
 だが、そういう国も一方で東電救済に踏み出さざるを得なかった。原発被害はなお続いている。間接的な事故の影響もある。被害総額はいまも確定できない。
 日本一の会社といえども、とても払いきれる賠償額ではない。そして、つぶすには東電は大きすぎてつぶせない。
 結局、国と電力会社で「原子力損害賠償支援機構」を創設し、福島第1原発事故の被害の賠償に当たることになった。これで責任の所在が曖昧になり、東電に対する責任追及は不十分なままだ。
 福島第1原発事故の教訓はまだある。
 当局と事業者のなれ合い、もたれ合いである。国は安全規制を最低限守るべき条件とし、電力会社がそれ以上の対策を自主的に講じることを期待した。だが、電力会社は規制以上の対策には消極的だった。事故が起きて分かった。もっとやるべきこと、やれることがあった、と。
 福島第1原発事故で百八十度変わったか。国民はここを見ている。国はどうすべきか。問題があれば国自身も含め厳しく責任を問われるようにすることだ。
 例えば最新技術や知見に基づく安全対策が施されてなければ、運転停止させる、巨額の「罰金」を科すなどはどうか。不十分な対策を見逃した国は重い監督責任を負う。監督官庁と事業者の間に本来あるべき緊張感を取り戻す。そのための法整備など手段も権力も国にはある。

[原発安全基準] 拙速な再稼働では困る
南日本新聞( 4/7 付 )http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201204&storyid=39675
 福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐる協議で、野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係閣僚は再稼働のために必要な新たな安全基準を策定し、きのう正式に了承した。
 今後の安全対策の実施計画を示す工程表を関電に提出させたうえで、首相らが来週にも内容が妥当かどうかを協議し、再稼働について地元への協力要請を決める。
 福井県などが東京電力福島第1原発事故の教訓を生かした対策を国に求めていたことに、政府がようやく応じた形である。だが、原発に対する国民の不信を払拭(ふっしょく)できるものになったとは言い難い。
 新しい基準は、経済産業省原子力安全・保安院が既にまとめていた30項目の安全対策が土台となっている。
 安全基準にはこれまで「暫定的」の形容詞が付いていたが、「暫定的」という表現を無くして「新たな安全規制の前倒し」と位置づけた。しかし、中身は従来の対策を継ぎ合わせたもので、拙速との印象は否めない。新たに電力会社に実施計画を明示させる手続きを加えたものの、地元の理解を得られるかは不透明だ。
 新基準の狙いは、想定を超える地震や津波に襲われても福島原発事故のような炉心溶融などの事態を防ぐことである。とはいえ、電源車の高台配置など短期的に対処できる対策を掲げたにすぎない。
 福島の事故の収集作業で重要な役割を果たした免震棟の建設など、時間のかかる対策は後回しにした。事故時に格納容器内の圧力を下げるため、内部の蒸気を排出する「ベント」設備の設置もこれからである。こうした後回しになった対策の実現時期なども、明確に示すべきだ。
 全国で現在動いている原発は54基のうち、北海道電力泊原発3号機だけだ。それも5月5日には停止する。再稼働に向けた政府の動きには、国内で稼働する原発がゼロとなる事態だけは何としても避けたいとの産業界の危機感が背景にあるのは間違いない。
 だが、福島原発事故で避難を指示された住民は当初想定された地域を越え、約50キロに及んだ。このため、原発事故の影響を受ける「地元」は一気に広がった。
 大飯3、4号機では京都府や滋賀県も30キロ圏に入る。再稼働には福井県知事やおおい町長の同意に加え、京都府や滋賀県の両知事の理解も必要となろう。
 福島第1原発事故で、日本の原発は根本から安全性の強化を求められている。政府はあらゆる手段を講じて国民の不安解消に努めるべきである。
以上、転載終わり。

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◆日本という国を潰しても構わないという大手新聞社の社説を。
以下、転載。
原発新安全基準 丁寧な説明で早期に再稼働を(4月5日付・読売社説)
(2012年4月5日01時52分 読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120404-OYT1T01051.htm
 福井県にある関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働に向けた関係閣僚会合で、野田首相は原発の新たな安全基準の策定を指示した。
 福井県知事らが、東京電力福島第一原発の事故を踏まえた安全基準なしでは再稼働に同意できない、としているためだ。
 再稼働には、安全性に対する地元の理解が欠かせない。政府は安全基準の策定を急ぎ、速やかに地元の説得を開始すべきである。
 民主党政権は、ストレステスト(耐性検査)の導入や原子力安全委員会の審査など、法律に基づかない手続きを次々に追加し、再稼働の実現を先延ばししてきた。
 場当たり的な対応の結果、全原発54基で運転中は1基に減り、これも5月初旬に停止する。
 このまま夏を迎えれば、深刻な電力不足に陥り、足踏みが続く日本経済に大打撃を与えよう。
 首相や関係閣僚は時間を空費せず、大飯原発の再稼働を、早期に決断する必要がある。
 新たな基準は、経済産業省の原子力安全・保安院がすでに策定した30項目の安全対策を整理し、肉付けした内容になるという。
 巨大な地震や津波が起きた場合でも、全電源喪失などを回避し、福島原発のような過酷事故を防ぐための対策を、わかりやすく示すことが求められる。
 地元の了承を得るには、政府が原発の安全確認に責任を持たなければならない。関係閣僚と地元自治体の間で、信頼関係を構築することも不可欠だ。
 その点で、枝野経産相の不用意な発言が、関係自治体の不信感を増幅させたのは問題だ。
 枝野氏は2日の参院予算委員会で、大飯原発に関し「現時点で私も再稼働反対だ」と答弁した。
 原発の「地元」の範囲について「あえて聞かれれば日本全国」と語り、福井県に隣接する京都府と滋賀県の知事の理解も得る必要があるとの考えも示した。
 自ら安易に再稼働へのハードルを上げるような発言を連発したのは軽率すぎる。電力安定供給に責任を負う閣僚として自覚を欠いているのではないか。
 大飯原発の地元や周辺自治体の誤解や混乱を招いた。厳しく批判されたのもうなずける。
 枝野氏は発言内容を一部修正したが、真意は必ずしも明確でない。このままでは、原発の立地する県や市町村の首長が、再稼働の受け入れをためらいかねない。
 前言を撤回し、丁寧に説明することが必要である。

原発安全基準 迷走を反省し再稼働急げ
MSN産経ニュース2012.4.7 03:18 (1/2ページ)[主張]http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120407/plc12040703190005-n2.htm
 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は6日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に必要な安全基準を正式に決定した。
 この基準に照らし、大飯原発の両機が妥当と判断されると、枝野氏が福井県を訪れて再稼働を要請する運びとなる。
 安全基準は、福島第1原発の事故後から、同県やおおい町が国に対して求めていた判断材料だ。福島事故で得た教訓をもとに、経産省原子力安全・保安院が今年2月以来まとめてきた30項目の安全対策などで構成されている。
 そのかなりの部分は、関電をはじめ、各電力会社で実施済みの内容だ。事故直後に経産省が各電力会社に求めた緊急安全対策やストレステスト(耐性検査)によって改善、確認がなされている。
 枝野氏らは、安全基準の論拠や内容だけでなく、取りまとめの経過も丁寧に説明していくことが必要だ。その努力を怠ると誤解が生じる。野田首相による作成指示から、わずか3日後に基準が正式決定されたことに伴う「拙速感」も誤解の一例だ。
 保安院は、約2カ月前から30項目の安全対策を中間報告の形で福井県に示している。だから泥縄ではないのだが、その情報がなければ、誰もが拙速の代物と受け止めてしまうことだろう。
福島事故後の国の原発対応は、多くの混乱の種をまいてきた。
 昨年7月に突然、再稼働条件とされたストレステストが代表的である。日本に先行した欧州では原発の運転を続けたまま、検査を実施している。それが、日本では定期検査入りした原発を停止したままにする方便として使われた。
 さらに、そのストレステストのルールに急遽(きゅうきょ)、追加されたのが、今回の安全基準だった。
 日本の原発は、大飯が動かなければ、5月初旬にゼロとなる極限状況にまで迫っている。代替電力源としてフル稼働してきた火力発電所を休ませる必要もある。さもなければ、投入された老朽火力発電の故障停止続出は目前だ。
 原発対応での迷走に一刻も早く終止符を打ち、安全基準の決定を機に再稼働を急ぐときである。
 だが、枝野氏は6日も、電力が足りれば再稼働の必要はないとの見解を表明し、その発言をブレさせている。重ねて、経産相としての自覚を強く求めたい。

責任持って再稼働を判断し地元に説明を
日本経済新聞2012/04/07 http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E2E0E6E3E5EBE2E2E5E2E6E0E2E3E08297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は、ストレステスト(耐性調査)第1次評価を踏まえたうえで原子力発電所を再稼働させる判断基準を決めた。
 政府は自らが示した判断基準に従い、関西電力・大飯原子力発電所3、4号機について毅然とした判断を下し福井県など地元自治体の理解を求めるべきだ。
 判断基準そのものは妥当だ。まず電源車の配備など緊急の安全対策が間違いなく実施され、東京電力・福島第1原発を襲ったものと同程度の地震や津波に耐えうる備えがあることを再確認する。
 さらに防波壁のかさ上げなど完成まで時間がかかる対策については電力会社に実行を確約させ、工程表の提出も求めるという。百パーセントの安全を保証はできないが、打てる手だてを尽くした。
 問題はこの間の政府の対応ぶりだ。この程度の判断基準ならとうの昔に国民に示せた。決断を迫られる土壇場になって、急きょ基準づくりを指示するなど、対応が場当たり的だとの批判は免れまい。ストレステストによる再稼働の判断手続きが始まって半年以上たつ。関係閣僚はただテストの結果を待っていただけなのか。
 閣内不一致ともとれる発言や説明のぶれも目に余る。再稼働にあたって理解を求める地元の範囲について藤村修・官房長官と枝野経産相の説明は矛盾する印象を与えた。また経産相は国会質疑で「再稼働に反対」と明言しながら後で修正した。
 その場しのぎで一貫性を欠く言葉が国民の不信や不安を生む。こんな調子では政府の原子力政策への不信感をぬぐうのは容易ではないだろう。国民生活や産業活動を支えるエネルギー政策を預かる経産相らは自らの責任を痛感すべきだ。
 政府が責任をもって遂行しなくてはならないのは大飯原発の再稼働だけではない。
 原子力規制庁を早く発足させ、福島第1原発事故の教訓を踏まえた新しい安全基準をきちんと整え、電力会社に徹底させなければならない。大飯3、4号機を含む全原発を対象にしたストレステスト2次評価も早く実施、国民の理解が得られるよう、より総合的で長期的な視点から安全性を再点検するのが望ましい。
 規制庁の設置法案の国会審議の遅れについては野党にも重い責任がある。
以上、転載終わり

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