Sekilala&Zowie

No one is free, even the birds are chained to the sky.


【NHKスペシャル】20130101「2013世界とどう向き合うか」文字起こし<前半>~二大大国米中の狭間で操られる日本。尖閣を巡る日中関係と「知日派」にハンドリングされる愚か者たちと扇動するメディア

20130101NHKスペシャル「2013世界とどう向き合うか」文字起こし<前半>

司会:
柳沢秀夫、上條倫子

出演者:
孫崎享氏(元外務省国際情報局長、作家)
坂の上洋子氏(ブランド経営コンサルタント、環境庁アドバイザー)
新浪剛史氏(ローソン社長CEO、経済同友会副代表幹事)
土井香苗氏(ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表、弁護士)
岡本行夫氏(元外交官、外交評論家、岡本アソシエイツ代表)
興梠一郎氏(神田外語大学教授・現代中国論、外務省専門調査員)
濱野智史氏(社会学者・情報社会論・メディア論、批評家)


    


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NHK柳沢「あけましておめでとうございます。いまVTRでご覧いただきましたように、日本を取り巻く環境は、これまでにない形で、しかも激しく変化する兆しを見せています。そして、私たちの目の前には、解決が難しい問題が大きく立ちはだかっています。今夜は新しい年2013年の巻頭言として、変わりゆく世界と、私たちはどう向き合えばいいのかを考えたいと思います」

NHK上條「そこで、外交や経営、情報や人権など、幅広い分野の専門家の方々にお越しいただいて、一緒に考えていきます。みなさん、どうぞよろしくお願いいたします」

NHK柳沢「よろしくお願いいたします。ちょっと、肩の力を抜いて、リラックスして、いろいろと忌憚のないご意見を聞かせていただけばと思いますけれども、国民の目から見て、気になっているのは、尖閣諸島を巡る問題だと思うんですね。

年末には、領空侵犯なんていうことも起きています。この中国の動きを含めてですけど、いったいこの尖閣問題がどうなるのか。国民の関心がそこに集中してると思うんですけど、岡本さん。岡本さんの目から見て、この尖閣問題、どういうふうに、今年なっていきそうですか?」

岡本「私は、尖閣問題は深刻化すると思います。これは単に、日中関係がどうのこうのという以前に、中国は1980年代に、大きな海軍の拡張戦略、海洋戦略を打ち立てているんですね。

それで、第一フェーズが、いわゆる第一列島線と我々が読んでいるところの、九州、沖縄から台湾、フィリピンに至る線。その内側は、中国が軍事的にコントロールするようにすると。これはもう、いま完成しつつあるんですね。その第一フェーズでは、尖閣というのは、北のほうの島だったから放っておいても良かったんですね。

いよいよ、彼らも第二フェーズに入ってくる。それは太平洋の進出ですね。そうすると、尖閣はそのゲートへの真ん中にあるので、これから中国は情勢はますます激しくなると思います。本気で尖閣を取りにくる。あるいは少なくとも中立化しようというのが彼らの戦略だと思います」

NHK柳沢「孫崎さん、どうですか?」

孫崎「考え方は逆なんですね(笑)今日はそうなると思ったんですけど。どの国も、タカ派とハト派がおります。しかし、中国の今度の党大会、そういうようなものの一連を見まして、中国という国がなにに一番大きな関心があるか。これを見ますと、国民の生活を上げる。これが一番なんです。

では、経済を上げるということを行なったときに何ができるかということは、それは中国にとっては海外との経済連携を行なうということで、大きな流れは、世界に市場を持つ。資源を持つ。そういうところで平和路線でいくというところは、中国の路線であると思います」

NHK柳沢「そうすると、中国はこれ以上、今年は事態をエスカレートさせるようなことはないとご覧になっている?」

孫崎「それは、日本次第なんです。中国が非常に変わったのは、もしも日本側が、ある自己の権限を行使するような形であれば、必ず、それに応じた行動を取ると。今までは、黙って見てましたけど、これからは座視しない。黙って見ない。だから、そういう意味で、日本が何かの行動をとれば、かならず中国はやります」

NHK柳沢「そうすると、中国の出方じゃなくて、日本がどう対処するかが」

孫崎「はい。それが非常に大きい」

興梠「二人の意見を伺って、どちらも私は理があると思うんですね。短期的な問題と、中長期的な問題と、私は分けて考えたいんですが、短期的にはおそらく外交的なトラブルを少なくしたい。日中和解に持っていきたいというのがあると思うんです。なぜかというと、中国経済というのは減速してますよね。

ただ中長期的な問題ですよね。中国は海洋戦略というのをどういうふうに見てるのか。これはただ単に資源とか、運輸ルートとか、そういった問題ではなくて、やはりアメリカの攻撃を阻止するであるいとか、そういったいわゆる防衛ラインの問題ですよね。それが徐々に徐々に外に出てきている。これは、おそらく日中問題を超えてますよ。米中新冷戦の中に日本がスポッと入っているという感じだから。

日中の議論をしても、土台が米中。これはオバマのアジア回帰戦略だとか、TPPも含めて、そういったものを中国から見ると、ソフトな封じ込めに見えるわけですよね。南シナ海、東シナ海。そういった米中という二大大国の間に日本がスッポリ入っちゃってるんだと」

NHK柳沢「確かにアメリカの視点というのはあると思うんですけども、当面、日本と中国の関係でいうと、相手のある話ですので。安倍政権、選挙戦の最中は、かなり尖閣を巡る問題でも、かなり強いトーンでものをおっしゃってますよね。今の事態になってきますと、ちょっと言い方も変わってきていということで、対応の仕方が若干これまでとは言い方も変わってきている。その辺は中国も読み取ろうとしてるんでしょうか?」

興梠「中国は、国内報道をずっと見てますけども、やはり安倍政権誕生というのを、願っていたところがありますよね。世論をそっちに持っていってましたよね。その理由が、外交に手慣れていると。成熟していると。恐らく人脈とか、そういう問題じゃないでしょうか。

見えない水面下のパイプみたいなのを、かなり中国の政治というのは重視するので、従来の日本の付き合い方とはまた変わって、昔のそういった、ちょっとお話しませんか、みたいなことができるんではないかと。それは選挙前からそういった報道が増えてます」

NHK柳沢「濱野さん、そういった国民の意識というか、若者を含めてですけれども、ネットの世界に相当詳しいというふうに聞いてますけれども、中国あるいは日本で、この問題に対する若者たちあるいはネットの中で、どういうふうな見方でこの先行き、転がるというふうに見てる声が強いんでしょう?」

濱野「正直、いま皆さんのお話をお聞きしていて、私は分かるところは分かるんですけれども、ネット上の若い人、もしくは特にいま国内で、もしくは日本・中国それぞれの国で、貧しい状況に置かれているような若い人たちは、はっきりいって納得しないような議論じゃないかなという気がしました。

それこそ、安倍首相は、実はあいつは分かる奴で、みたいなことを、政府間同士では一応納得したとしても、国民はあまり納得しないんじゃないか。もしくは、自分たちで貧しい状況というものを解決してくれないという腹いせがそのまま、日本でも、ある程度そういう人たちがある種のネット右翼と言われる人たちが参加しているわわけですし、向こうでは、反日デモに参加しているような人たちはそういうことを背景にしているんだと思うので、そこに関する問題が解決されない限り、あんまり二国間の巨大な関係というのを話していても、大衆は、市民はあまり納得しないじゃないかなと、特に聞きながら思いました」

NHK上條「今回、番組では、視聴者のみなさんの声を事前に募集しました。そのなかから、いくつかご紹介していきます。『一番起きて欲しくないのは武力衝突です。一発の銃声が、これまで日本が築き上げたものを瞬時に壊すことになると思います』そして『他国の領土でも権利を主張すれば自国のものになる。言ったもの勝ちを許してはいけない』こういう声もありました」

NHK柳沢「坂之上さん、中国と結びつきに強いものをお持ちだと思うんですけれども」

坂之上「私は中国系アメリカ人の人と結婚して、かなり長い間、中国とアメリカと行き来があるんですけど、実は尖閣デモの最中に、西安と北京に行っておりまして。子どもと一緒に行ってたんですけれど、その時にすごく思ったのは、温度差というか。

やはりニュースというのは一番悪いところを、繰り返し繰り返し報道するのが当たり前の世界ですけれど、実際に街に行って、普通に新設にしていただいて、私が日本人なのは分かるので、子どもと連れていても、別に何も怖いことは起こらなかったし、何も状態は変わってなかったというところの温度差をすごく感じたんですね。

一番怖いのは、民衆、普通の中国のことを知らない人たちがニュースとかネットの中で『中国は怖い。こっちが強くならなければ、襲われるんじゃないか』という、その恐怖を持ってしまうことが、実は一番怖いことなんじゃないか。そういう世論になっていくというのが」

濱野「今のに、付け加えたいんですけど、中国にウェイボーがいま3億人ぐらいですか。中国版ツイッターとしてすごく流行ってますけども、なんとなく一枚岩で捉えてしまうと、すごく向こうでナショナリズムが湧きあがっていて、むちゃくちゃ盛り上がっていてるんじゃないかと思うと、実はそうではない。

逆に、日本のほうでも、ネットを意外と俯瞰的に見ると、そんなに極端にナショナリスティックな動きが盛り上がってるわけでもないのに、一部の声のでかい人たちが湧きあがって、対立が湧きあがってしまうという状況はすごく危険だなと思います。うまくインターネットがそれを相対化する役割を果たさなきゃということは思います」

新浪「歴史から学ぶと、これは日本の領土であったと。しかし、それを今ガタガタして、中国との関係をおかしくするというのをやめましょうということは賛成する。だから、やっぱり問題はね、経済力がない国である日本が、なに言ったって賛成を得られないでしょ。

なんてったって2025年には、GDPで世界一になると言われてる国に対して、今、あなたがおかしいですよ、と言いだせる国がどれだけあるか。ましてやヨーロッパがこれだけ経済が苦しいのに。ですから、やっぱり経済力をいかに再度、我々がつけていくかということを至急やらないと、この問題というのは中国と向き合える状況にはならないんじゃないかなと、こう思うんですけどね」

NHK柳沢「事象として考えてみますと、これまで尖閣を巡る問題でも、中国というのは海の上。領海に対する侵犯行為だけだったのが、去年暮れに起きたものというのは、領空という新しいフェーズに入ったというふうに、やっぱり我々から見て、新しい段階に入ったんじゃないかなという感じがあるんですけども、岡本さんはその辺どういうふうにご覧になってますか?」

岡本「私は、中国は一貫して攻勢をかけてくると思いますね。孫崎さんのおっしゃることと、これまた正反対ですが、いま柳沢さんがおっしゃった海洋、それから航空での侵犯行為というのは、あそこには日本の実効支配は届いてないんだと。日本の施政の下にはないんじゃないかと。我々の公船は航空機の侵犯に対して日本政府はなすすべもないじゃないか。

だからこれは日本のものや施政の下にはないんだというシグナルを彼等は世界中にこれから送ろうとしていると思います。中国は、この間の共産党大会でも胡錦濤主席が中国の海洋権益の確保ということをたいへん声を大に、大変強調してましたし、この中国の勢いが止むことはないと思います。日本の態度いかんに関わらず」

孫崎「日本と中国というのは、これから東アジアで以って大変に発展する。もう世界の中心になるようなところになっている。その中でいかに紛争をなくして、そして発展に結び付けるかということのほうが非常に重要なので。

その時には、周恩来であるとか、鄧小平であるとか、それに対して日本の田中角栄首相、それから園田外務大臣、この間で作った棚上げという、この問題はなかなか解決しにくいから、我々は協力を重視する。そして、これに阻害する要因になるものはできるだけ触れない形で、発展を、まずは我々はどうするかということに集中すると。この方針にいくことが正しいと思うし、かつ私はできると思っています」

岡本「孫崎さんは、棚上げ論とおっしゃったけども、日本は、実は棚上げに同意したことはないんですね。鄧小平さんは、次世代の知恵に委ねましょうと言ったけども、日本はそれをイエスと言ったわけではない。反論はしなかったですけども。

それで、その棚上げ百歩譲ってあったとしても、それを最初に破ったのは中国ですよ。1992年に領海法という法律を制定して、尖閣は中国の固有の領土であると言って、中国領土に組みこんじゃってるんですね。それで日本が今度はいわゆる国有化で、あなたたちは合意を破ったと言ってますけども、とんでもない言いがかりだと私は思ってます」

孫崎「いや、これは非常に重要なことをおっしゃってるんですね。歴史の事実を曲げてます。本当に残念です。日中の間で、棚上げの合意というものについては確かに文書というものはない。しかし、文書にはなってないけども、政府間の合意があったことは事実である。

それを現在の段階になって、なかったというような言い方は非常によくないし、棚上げということをやっていくということが、紛争を避けるということをやって行かなきゃならない一つの足掛かりだから、その足掛かりをないという形でやるのは良くない。そして」

岡本「そういうけど、日本政府の公式の解釈でもあるんですよ」

孫崎「だから問題だと言ってるの」

NHK柳沢「興梠さん、紛争にしない思いというのは中国はあるんですかね?」

興梠「私は、いま非常に、我々にとって重要なことは、中国側が求めている落とし所。いわゆるボトムラインがあるか。これは、推論になりますけども、中国の落とし所というのは、議論があるというところに持っていきたいわけですよ。

要するに、日本側がこれは領土問題はないと言ってる。そこを崩したいというのがある。議論はあるでしょう。とにかく議論がないと言われちゃってるので、それは国民に対してでも、これだけ問題が大きくなると、申し開きが立たないというのがあって、軍の勢力もあるし。だから、議論はありますよね、というところに持っていくために、ここは係争地だね、ということで、国内でも頻繁に領空侵犯したたんびに報道したりしている」

NHK柳沢「まあ、日本政府の立場としては、領土問題ではないという立場ですから、色々とことを起こすことによって問題があるということを示したい?」

興梠「問題があるということをまず言わせたい。そこで、議論がありますねと。そこからあと、じゃあこれがすぐに戦闘行為に入るとか、そこはまた違った問題で、一応、議論がありますね、ということを国際的にもアピールしたいし、国内的にもアピールしたい。そういった駆け引きのところだから、今後の日本の新政権が、どういうふうに折り合いをつけるかと私は思ってるんです」

――――――――――――<VTR>

ナレーション「中国と向き合ううえで理解しておきたいことがあります。強硬な姿勢の背景にある中国の国内事情。その実情に詳しいプリンストン大学のフリードバーグ教授。アメリカの対中国戦略における第一人者です」

フリードバーグ「中国の指導体制はかつてとは違います。一人が権力を握るのではなく、集団的な指導体制となっています。これだと、なにか危機が起きた場合、より強硬な姿勢を取りやすくなる。7人の常務委員の誰もが弱腰と非難されたくないと考えるからです」

ナレーション「フリードバーグ教授がもう一つ注目しているのが、軍の影響力が強まっていることです。10年前には、日本より少なかった中国の国防費。その後、急速に増え続け、いまでは日本の倍以上となっています」

フリードバーグ「中国の政治において、人民解放軍の影響力が増しています。この20年、力をつけ、軍事力に自信を深めているからです。最近、軍の高官が公の場で、国の政策について発言することが目立っています」

ナレーション「中国の強硬な姿勢の背景に、経済格差の問題があるという指摘もあります。都市部では、富裕層が次々と誕生。2030年までに世界一の経済大国になるとも言われています。しかし、国民の多くは貧しいままです。貧富の差が広がったと感じる人は80%を超えています。その不満が日本への反発に繋がっていると言うのです」

フリードバーグ「格差に対する不満が、人々をナショナリズムに駆り立てています。それが、日本やアメリカへの敵対心を煽ることになっているのです」

ナレーション「こうした国内事情を踏まえ、私たちは中国とどう向き合っていけばよいのか。スタジオで更に考えていきます」

―――――――――――<VTR終>

NHK柳沢「土井さん、ご覧になってて、中国の現状についてどういうふうに見えますか?」

土井「中国で広がっているのは貧富の格差だけではなくて、様々な社会問題が本当に噴出している。中国政府の公式統計によっても一日200件から300件ぐらいの大規模なデモとか暴動とかが起きているという国ですから、非常に大変な状況にある。

それに、最も辛いと思っているのはたぶん中国国民で、中国国民がこれだけ暴動を起こしてまでメディアに報道してもらいたいと。にもかかわらず、それを解決する手段がない。日本だったら、メディアがそれを書いてくれるでしょう。嫌になったら裁判所に行けばいいでしょう。この政権、納得いかないと思ったら政権交代させればいいでしょう。中国の人というのはそういう手段が一切ないと言ったら言い過ぎですけれども、非常に限られている」

新浪「私じつは尖閣のとき北京にいたんですよね。本当に感じたのは官制デモだなと。本当に統制がとれてるな。あるメーカーさんの工場なんかはクリーンルーム。つまり一番重要なとこ、ここはやらないんですね。そこに公安が最後駆けつけると。こんな具合に、当時を振り返ってみると、相当国がコントロールしていた。こう感じるわけです。

ほんとうは、この尖閣の問題よりも、国内の問題を解決したいというのが実態でして。そういった意味で、何をしなきゃいけないかと言うと、まだ日本と違って経済力。1人当たりのGDPが、一人当たりに対する所得が十分ではないわけですね。そんな中でやっていかなきゃいけない。いかに分厚い中間層を増やさなきゃいけない。

分厚い中間層を増やすには、なんと言っても、政府が信頼されているかどうか。本当にコラプション、つまり汚職がないのかとか、こういうことがすごく重要なんですが、本当にそれができる体制が新しくできましたか、ということがたいへんクエスチョンなんですね。

そういった意味で、早く1人当たりの、本当の意味での所得分配ができる仕組みができるかどうか。こういったところが今後の中国においては、実は外交上もすごく重要な問題になってくる。つまり、腐敗構造を本当に止めるんですか。分配をちゃんとするんですか。こういったところにきてるわけですね」

土井「いま新浪さんが腐敗とおっしゃったんですけど、すごく大事だと思っていて、日本のメディアはだいたい中国は格差社会とおっしゃって、貧富の差とおっしゃるんですね。貧富の差は事実だと思うんですけど、ただ人間は真っ当に貧しければ、そんなに不満は抱かないわけです。みんな平等に貧しくて、特に誰かが不正になにか蓄財しているとかがなければ。

いま、私が見たところ、中国の人たちが色んなことに起こっていますけども、最も怒っているのは不正だと思いますね。共産党の、特に末端の役人たちのすごい横暴、利権に対して怒っていますし、企業が色んな環境を破壊したりとか、いずれにしろ、自分が貧しくなった理由が、あの人たちの不正によるというところの怒りなわけが非常にメインなわけですよ。そのなかで新浪さんがおっしゃったような問題が背景で出てきているんだと思いますよね」

濱野「ちなみに、ネット上だけの議論で言うと、新幹線の中国の事故について、ウェイボーとかで、事故を政府が隠蔽してるぞということで、スマートフォンで撮った写真をウェイボーとかにバンバン上げて、もちろん政府は消すんですけれども、ぜんぜんとどまらない。政府とか、マスメディアに対する批判力を持つ。

社会学では対抗公共権とか言ったりしますけど、カウンターパートとして世論を作っていくということで言うと、意外なことに中国のほうが、もちろん検閲もあるし、すごい書きこみが消されるんだけど、書き込みが消されまくるということもみんな知ってるから、逆に政府と戦うぞという意識がすごく強くて、ある種、ネットだけ見ると民主的な議論をしちゃってるところもあるなって。民主的というか、議論が盛り上がってるところはあるなと思います」

NHK柳沢「興梠さん、中国国内の不満というものが当局にとって脅威になるわけですよね。中国当局の。それを避わすために、よく反日ということを言われますけれども、そういう結びつきを実際にしてるんでしょうか?」

興梠「今回の反日デモも、ちょっと二つに分けないといけないですね。8月9月の。最初は動員。政治的な動員の政治ショー的な部分があって、ところが途中から制御できなくなった。そのあと、どんどん逮捕してますけど、どういった人たちが破壊行為のメインだったかというと、農村から来た失業した出稼ぎの若者であったり、そう行った人たちがかなり入ってるんですよ。それは、中国政府は非常に警戒してますよね。だから、最後は、そういった破壊行為をした人たちは、どんどん逮捕して報道するということをしていた。これはやっぱり中国の改革開放政策というのをずっとやってきて、要するに勝ち組と負け組がはっきり出てきている。昔はそれは農村地帯にあったんだけども、こういった人たちが一億人、二億人単位で、出稼ぎに来てますので、都市にそういった内陸の矛盾が転嫁されてきた。そこにリーマンショックだとか、EUの債務問題とかが出てきて、成長エンジンがおかしくなってきている。そこで、色んなナショナリスティックな動きが出てきた。つまり、内政の外交化というものが起きているわけですよ。社会問題を外交化していってるわけですね。いま、中国はそういった段階にあると思うんですよ。だから、それが巨大な大国で隣りにあって近代化に苦しんでいると。それがちょっと外から刺激すると、こちらの予想以上に数百倍のインパクトで返ってくるという段階にもうきてるんですね」

岡本「基本的には、これは中国の国内問題ですよね。中国は、戸籍が画然と二つに分かれていて、都市戸籍を持っている人は4億人。農村戸籍が9億人。生まれた時から身分が違うわけですね。農村戸籍を持って生まれてきたが最後、医療保険の対象にもならない、社会保障の対象にもならない。居住の移動も制限される。この二つの身分制社会というのを中国自身が変えることができるかどうか。それで、私は習近平さんや李克強さんのいわゆる第5世代では、やっぱり無理かなと思うんですね。それで、その先に、 胡春華さんとか、孫政才さんとかいわゆる第6世代の非常に合理的な考え方をする人たち、しかも能力もたいへんに実務的に長けた人たち、この人たちが中国をソフトランディングさせていくんじゃないかと期待してるんですけどね。そして、中国がもっともっと平等化したときに、日中関係ははじめて良くなっていくんだと思ってます」

――――――――――――<VTR>

ナレーション「様々な問題を抱えながら、大国への道を歩む中国。もうひとつ理解しておきたいのが、海洋戦略です。中国は、海洋資源の権益を守るため、海洋強国という目標を掲げています。南シナ海では、南沙諸島や西沙諸島の領有権を巡り、フィリピンやベトナムなどと対立が起きています。中国はこの海域に構造物を建設するなど、実効支配を目指す動きを強めています。

こうした動きに対し、周辺国では、反発が広がっています。中国海軍の動向にも変化が現れています。これまでは、沖縄やフィリピンを結ぶ、いわゆる第一列島線の内側を主な活動範囲としてきました。しかし、ここ数年、グアムやニューギニアを結ぶ第二列島線にまで進出する動きを見せています。

アメリカを代表する知日家で、対アジア政策に深く関わってきたアーミテージ元国務副長官。中国の動きに強い懸念を示しています」

アーミテージ「南シナ海や尖閣諸島に対する中国の姿勢。そして、第二列島線についての発言をみると、アメリカが関与しない限り、太平洋は中国の湖のようになってしまうでしょう。もし、中国が不穏な動きをするつもりなら、我々がアジアに十分な部隊を展開できるということを示さなければなりません」

ナレーション「これに対し、北京大学の梁雲祥教授は、中国の行動は当然だと主張します」

梁雲祥「国力が増し、国際的地位が上がるにつれ、中国が国益とする範囲も広がっています。中国からすれば、当然のことです。しかし、アメリカは超大国として、中国が強くなり、パワーバランスが崩れることを心配しているのでしょう」

ナレーション「アメリカと中国。せめぎ合う二つの大国の狙いはどこにあるのか。そして、日本はどうすればよいのでしょうか」

―――――――――――<VTR終>

NHK柳沢「中国の問題を考える時に欠くことのできないアメリカ。いまVTRでご覧いただいたんですけれども、アメリカはこの中国の海洋進出についてかなり神経を使っているという印象があるんですけども、岡本さん、これアメリカの見方というのは、そういう見方なんでしょうか?」

岡本「今まで歴史的に見ても、中国は大国が引き揚げたあとの力の空白に必ず攻め込んで来ているんですね。ジョンソン岩礁をベトナムから取ったのも、ミスチーフ岩礁をフィリピンから取ったのも、それぞれアメリカとかロシアという強国が引き上げたら、そこへ力の真空を埋める格好で来ている。

今は、中国はもっともっと強大になりました。潜水艦なんか近代的なものを60隻以上持ってる。航空母艦もいまは海に浮かべ始めている。そういう時に、アメリカはアジア太平洋の安定化と。要するに日米ともに現状を、ステータスクォー、現状を維持するというのが基本方針ですから、つまり軍事力によって、そこを変えないというのが基本ですから、そこを脅かそうとしている中国に対して懸念を示すのは当然だと思います」

NHK柳沢「中国はやっぱりその線を変えようとしてるんですかね?本気で」

興梠「どちらかというと、私が感じるのは、大国はどうやって大国になったかという研究をもうやってるわけですよね。そういったテレビ番組まであるぐらいで。要するにイギリスであれ、なんであれ、すべて海洋国家であるという結論に達してるわけですよ。それはシーレーンがあって、ちゃんと資源を持ってこれて、自分も出ていけて、ということです。海のことを青い大陸って言いますけど、そこには資源があるんだと。経済成長するためには、もう国内がいっぱいいっぱいだと。資源も枯渇してきていると。石油の対外依存度も非常に上がってきていると。そういった焦りみたいなのが一方にありますよね。彼等は近代化することを当然の権利と思っていて、その権利を行使して何が悪いんだと。あなたたちだってやってきたんではないかって、そういう論理ですかね。だから、当たり前のことをやってきてるんだ。海洋国家化していくことは当然の、経済成長するための一つの非常に重要な目的であると思ってますから、そこの心理的な部分ってファクターは変わらない」

NHK柳沢「確かに、アメリカはそういった中国の出方というものをさっき岡本さんの話で、かなり警戒感を持っているという部分がありましたけども、孫崎さん、それはいかがですか?」

孫崎「アメリカの対中政策は、大きく言って二つのグループがあると思いますね。ひとつは、いまアーミテージさんが出てきたように、軍事と非常に密着した産軍複合体の代表者ですよね。こういう人は、中国を押さえ込まなきゃいけない。もう一方、これは金融、それから産業グループ、これはもう中国というものは2020年か2030年、もう世界の第一番目の経済的な強国になるんだ。だから、これを手を繋ぐよりも他に方法はないんだ、ということで、できるだけ連携をするという、この二つのグループがあります。

ところが、日本のアメリカ関係者というのは、基本的には、アーミテージのような軍事関係者だけなんですよね。そうじゃなくて、アメリカはもう少し、経済とかそういうところで、仲良くするという流れがあるということをちょっと見逃し過ぎていると思います」

NHK柳沢「岡本さん、そうなんですか?」

岡本「孫崎さんのおっしゃるのは、だけども、この二つの利害が、もう本当に衝突すると。そうじゃないと思うんですね。平時は、それは中国との関係は取っても大切ですよ。経済関係をはじめとして、国民の間の交流もすべて重要。それを推し進めて行かなければいけない。そこにいを唱える人は誰もいない。その軍事的なものは、万一今の均衡状態が壊れたり、あるいは尖閣を中国が本当に取りに来たような場合に、それに対する対抗措置として、いまからやっとかなければいけないという順番の問題があると思いますね」

NHK上條「ここで視聴者の方のご意見なんですが『実際にことが起きたときに、アメリカは自国の本土に無関係なことを必死で守ってはくれないと思う』こういう声もあるんですね。これについては」

新浪「まず自分たちで守る。そのためのイージス艦なり何なりをきちっと配備しておくことは絶対に必要であり、そういうことのなかで、やっぱり我々が全面に立って、自分の領土を守るということをそろそろ我々自身が真剣に考えアクションを取っていかないと、本当の意味の日米安保条約だから、アメリカの人たちが血を流してくれる、この前提で自分の国を守ろうというのは、これはもう間違ってるというふうに思います」

岡本「2000年の防衛費を100としますと、中国は今480ですよ。日本は96ですね。周辺諸国の中で日本だけが国防費を、国防費と言っちゃいけないのか、防衛費を削減し続けてきている。アメリカが、じゃあ尖閣を守るのか。

それは新浪さんがおっしゃったように、日本の自衛隊の役割ですよ。じゃあ、日米安保条約はどういう意味かと言うと、しかし初期の段階から、日本とアメリカはこの問題を一緒に対応しましょうと。例えば、アメリカが持っている尖閣に関する中国軍の動静の情報を日本に全部教えてあげましょうとかね。

それから、こういうことはあっちゃいけないけども、万一、尖閣を理由として日中が軍事衝突するようなことがあれば、その時はアメリカは日本の氏政権の及ぶ範囲内では、日本を守りますよ。一緒になって中国であれ、どこであろうと戦ってくれる。これが安保条約の仕組みですね」

孫崎「ひとつだけ申しあげますと、いま東南アジアとの関係というのはよく言われていて、第一列島線、第二列島線と言われるんですね。だから、軍事のことは非常に強調される。ところが、中国とASEAN諸国とのあいだには2002年、南シナ海の行動宣言というのがあるんです。

これはお互いに、海洋、航空、こういうようなものを邪魔しない。それから、軍事力をお互いに使わない。それから、紛争をエスカレートしない。こういうような約束があって、これを併せて強化しようとする動きがありますから、中国の動きをみるというときに、確かに軍事というものも見る必要がある。

先ほどから申し上げましたように、あわせて平和的にやろうという勢力もある。この二つをバランスとって、どれくらいの力関係になっているかというのを見ていかなきゃいけない」

<後半へつづく>





*NHK属米放送局と言っても過言ではないだろう。まず、日本は形上の独立をしただけの米国の実質占領下にあるという事実を認知しているか否かによって、この番組を見る見方がまるで違ってくる。だから、この国ではアーミテージのような人物を「知日派」と呼び、VTR出演させ、米国務省傘下にある外務省北米課が出身の岡本なんぞに補完させる。新浪や土井などに関しても、「視野狭窄」と「矛盾」と「陳腐」しか浮かんでこない。言うまでもなく孫崎さんの「覚悟」と、坂之上さんの「生活感」が際立っていた。双方とも幅広い国際感覚に長けている人物である。あとの人は、様子見である。

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