Sekilala&Zowie

No one is free, even the birds are chained to the sky.


お任せ民主主義は、エリート志向の賜物

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カギを握るとされる「ゆ党」が「や」と「よ」の引っ張り合いによって注目されるという虚しい政治。

国民の意思は「安倍政権が閣議決定した戦争法案は違憲である」という大多数の認識が前提であれば、憲法に違反する法案は一度破棄されるべき方向に向かうだろうと、誰もが「お任せ民主主義」に期待する。

しかし、政治の中心では国民のほうを向いていない。

どうも、民主と維新のあいだで、ひと悶着あったらしいが、これは、大阪維新という、維新のなかでも大阪組の仕業だという。なにかというと、採決の日程を先に決めろと民主党に対し言い出したのだと伝えられ、それに対して、民主党は、先に採決の日程を決めるのはおかしいではないかとして、一度は決裂した。

その提案をしたのが大阪維新の人間(国対)とのこと。そして、松野氏や例の幹事長さまは、困った様子だという筋書きになっているらしい。実際、どうであれ、普通は、維新は、民主党との協議の前に、党内で意思統一していなかったということになるが、そのような批判は見当たらない。

なぜなら、「カギを握っている」からだと思われる。

ほんとうにカギを握っているのだろうか?統率という意味では、国対が党の意見を代表しないまま勝手に「採決日程を先に決める」などと、この大事な時期に言い出したなら、党の役員会にでもかけて、更迭されて当然だが、その様子もない。

目的は何なのか?

国民不在だと思われても仕方ないのは、とある「ゆ党」の幹事長さまのご発言がよく表している。

その人によれば、「何はなくとも、まずは存在感。埋没しちゃってはダメだ。『悪目立ち』だってしょうがない」んだそうな。



    


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奇しくも、当の幹事長さまがご自身で吐露された言葉に尽きるのではないかと推察する。

結局のところ、国民は、与えられた選択肢のなかでしか選択できない仕組み。「違憲」vs「合憲」を選択するなら、当然「合憲」を選択するわけだが、少し冷静に考えてみると、政府提出の法案が「違憲」であるなら、まず撤回させるべきが、筋だろう。これだけの世論の後押しと憲法学者の後押しがありながら、そういう向きはない。最高裁だって、よほどのことがない限り、合憲と判断はできないはず。それこそが世論を気にする裁判官の存在である。もしくは、覆すというなら、それは砂川最高裁判決でアメリカの司法介入の横やりがあったと判断せざるを得ない。

とはいえ、今の流れは、「違憲」vs「合憲」の選択を強いられているのが現状だ。

ただ、今のところ、民主党と維新が共同で領域警備法案を提出することで、一つは一応の決着がついた形なのだが、維新が直近の同一労働同一賃金法案の時に、どういう動きをしたか?を参考にしてみよう。

2_20150708033415cb6.pngハフィントンポスト紙一部引用:

「同一労働・同一賃金法」も骨抜き

改正案を巡っては、派遣社員と派遣先の社員の待遇をそろえる「均等」の原則を盛り込むよう労働側が求めており、維新・民主・生活らは、正規雇用か非正規かにかかわらず、同じ仕事であれば同じ賃金を支払うことなどを決める法律を、1年以内に作るなどとした「同一労働・同一賃金法案」の議員立法を進めていた。

しかし、維新が与党側と共同で法案を修正。「1年以内」に法律をつくるとしていた部分を「3年以内」に先延ばしした上で、必ずしも法律をつくる必要もなくした。さらには、「均等の実現を図る」としていた内容を、「業務の内容及び当該業務の責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇」などと変更。この点が変更されることで、労働法制に詳しい嶋崎量・弁護士は「派遣と正社員では『業務の内容』(例:労働時間や休日)が違うから、「責任の程度」(例:部署での地位)が違うからという理由で、違いを正当化されてしまう」と指摘している。

与党と維新は、修正法案を19日に提出。この日の厚生労働委員会で趣旨説明が行われた後に採決が行われ、自公と維新の賛成多数で可決する見込み。こちらも本会議に緊急上程がされ、衆院を通過させる方針だ。


2_20150708033415cb6.png産経ニュースより一部転載:

維新の党は11日午前の部会で、「同一労働・同一賃金」を推進する法案の修正案を了承した。同法案は維新や民主党など野党3党が共同提出しているが、与党が維新に修正案を提示していた。与党と維新が再提出する修正案は今国会で成立する運びとなった。
維新は衆院厚生労働委員会で、12日にも採決される労働者派遣法改正案に反対することも決めた。ただ、与党との間で同一労働・同一賃金の法案修正が実現することから、与党が求める採決への出席には応じる。派遣法改正案は与党の賛成多数で可決する見込みだ。


2_20150708033415cb6.png民主党国対委員長の定例記者会見より転載:

 髙木義明国会対策委員長は19日午前、定例記者会見を開き、同日予定されている労働者派遣法改正案等の採決への対応を明らかにした。

 同日の衆院厚生労働委員会では、政府提出の労働者派遣法改正案について安倍総理出席の下、民主党・共産党がそれぞれ質疑を行った後に採決が行われる予定。また、民主・維新・生活の3党が共同で提出した「同一労働同一賃金推進法案」については、与党から修正案が提出された後、各党からの質疑を行わずに採決を行うとされている。

 髙木国対委員長は、労働者派遣法の採決については「われわれとしては不本意であり法案には反対だが、採決には粛々と対応する」とし、同一労働同一賃金推進法案については「自民・維新・公明修正案の質疑をまったくしないままの採決ということだ。こんなことは審議のあり方として考えられない」と述べ、同法案の採決は「容認できない」とした。さらに与党から衆院本会議での両法案の緊急上程の申し出があったとして、「緊急上程というのは全会一致のときに認められるべきもので、これも容認できない」と述べ、厚労委員会の状況を踏まえて対応するとした。

 記者団から、同一労働同一賃金推進法について「審議のあり方として考えられない」とした理由について尋ねられ「修正されたその内容自体が不明で議論のしようがないし、(本来ならば)議論をして党としての意思決定をしなければならないが、その時間もない。民主・維新・生活の3党で出した法案が正規の手続きを経ずして、与党と維新が修正をしたということ事態、前代未聞であり不可解だ」と語った。

 なお、同日午後の衆院本会議で採決が行われる「独法改革推進国交省関係法整備法案」については賛成する。



お分かりいただけただろうか?すでに、前例として、与党との取引、あるいは野党が対案提出した場合、与党案の採決拒否はできずに出席して反対票を投じることで、結果、法案が可決した。つまり、強行採決が避けられたという大義を与党に与えた。

維新は、与党からの修正案に対して、民主・生活などとの共同提出をしていたが、与党の修正案に釣られていき、民主党や生活をある意味、簡単に裏切った実績を持つ。

と、ここまで書いてる途中に、『与党と維新、9日に修正協議=採決日程めぐり駆け引き-安保法制』というニュースが入ってきた。これを読んで、寒気がした。

まさに今、同一労働同一賃金のときの動きを検証している最中、それと全く同じ動きが報じられているではないか。維新は与党にも提示していたので、与党との修正協議に応じる模様。

ちょっとややこしいので、ここで少し整理。

安全保障関連法案というものの維新が提示しているものは3つある。
  • 自衛隊法等の一部を改正する法律案《189衆25》
  • 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案《189衆26》
  • 領域等の警備に関する法律案《189衆27》


三番目の法案だけ、民主党との共同提出となった案で、後の二つは独自案として提出した模様。

それ以前に、与野党に提示した案がPDFで公開されていて、ページ数で言うと約200ページに及ぶもの。これをつぶさに読んだ人はどれほどいるだろうか?

70ページを超えるところで、折り返し何度か読み直し、だいたい把握したところで、自分の頭のなかで整理してみたが、維新が切り札とおっしゃっている人で、維新推しの人からは、読んで理解した話は一向に出てこず、ただひたすらに「小林節教授が合憲と判断した法案だ」としか言わない。

それはそうだとしても、なぜ自分自身で読み、考えてみないのだろうと思う。全部読む必要もないのに。これも一つのお任せ民主主義の一環ではないかと思う。

自分自身で読んでみて見えたのは、簡単に言うと、維新の案は、小泉政権のときの自衛隊海外派遣の拡大解釈版だということで、何日か前にそう呟いた。誰も見向きもしなかったが。

しかし、さっき入ってきた時事通信の記事の下段のほうに書かれていたのは、こうだ。

8日に国会提出された維新案は、個別的自衛権の枠を広げ、事実上の集団的自衛権行使を認める内容。日本を周辺で防衛する米軍が武力攻撃を受け、日本も攻撃を受ける「明白な危険」があれば、自衛権が行使できる



読めば、そうとしか捉えられない内容だから、自分と同じになるのは当然のこと。このカギは「日本周辺」に限定しているということ。ただ、これが個別的自衛権の範囲だという解釈になるとすると、それは日米安保条約に準じたものとなるわけで、変える必要性がそもそもないということになるはず。なぜ、上書きする必要があるのか。そうも呟いたが、これも無反応。

実際、そうなっているし、維新の前説にも「条約に準じて」となっている。その条約とは「日米安保条約」のことだ。

では、日米安保条約の何条に準じているのかといえば、第五条である。第五条で示しているものは、こうだ。

各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない


『日本国の施政の下にある領域における』が、維新のいう「日本周辺」を指しているものということになるが、維新の案では、米軍が攻撃にあった場合、日本が自国への攻撃とみなし、米軍を攻撃した相手を自動的に攻撃できることになっている。だから、時事通信の「事実上の集団的自衛権」というのはある意味、正しい解釈になる。

しかし、これまでは、日米安保第五条では、『自国の憲法上の規定及び手続に従って』という条件が付いている。維新の案はこれを超えるものである。というのも、以前、呟いた。が、スルー。

また、米国の憲法では、米議会に権限があるので、その時の米議会の判断によっては、米軍は出てこない可能性がある。というよりも、過去、何度も米国の政府関係者は、日米安保によって米軍が日本のために自動的に出ることはないし、そのような義務もない、としてきた。

それをNHKをはじめとする日本の記者クラブメディアは、あたかも、尖閣において中国と一戦交えたら、米軍が助けてくれる、かのようなデタラメのウソをまぎ散らしてきた。

そして、おまけに、05年の『日米同盟未来のための変革と再編』においては、島嶼防衛は、一義的に日本が守り、米軍は出てこない、という協定を結んでいる。

つまり、米軍は尖閣周辺の事態で出てこないと、日本政府は知っているはずだし、民主党政権のときの岡田克也元外務大臣は政府として、当時そのように答弁している。(その次の前原誠司氏も認めている)

さらに、その上に今回の維新の案だが、これまでの日米間における安全保障関連は、日本のほうが十分不利な、片務的な同盟関係(主従関係)であるのに輪をかけて、ますます日本だけが自動的に米軍を守らなければならない法案となっているわけだ。

もし仮に、維新のこの案が通るとすると、官僚はどういう手を使うだろうか?蟻の一穴戦略とでも呼べばいいか、まず狭き門でも、小さい穴を開け、法案をとりあえず通過させ、成立させる。そして、その後、間口をどんどん広げていくという手口だ。つまり「日本周辺」から「世界中どこでも」と。

こういう手口・手法は、過去、官僚たちが行なってきた例があるということを聞いたことがある。

このようにして、じわじわと、我々は逃げ場のない行き止まりの道へと追いやられていく。まだ、全ての結果が判明したわけではないので、この時点で、戦争法案阻止の可能性を全否定するものではないが、今のところ、非常に筋の悪い流れになっているように見えて仕方がない。

確かに、大先生がおっしゃることは重要だけど、皆さんもご自分の目で見て、読んで、確かめた上で考えてみてほしいと切に願う。それが本当の意味での民主主義の基本なのではないかと思う。
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